米運輸省、ドローン実証プログラムを拡大、目視外飛行の普及を後押し

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月31日

米国運輸省傘下の連邦航空局(FAA)は8月27日、ドローンの運用を拡充し、航空分野における米国の主導的地位を確保するためのプロジェクト「BEYONDプログラム」の第2フェーズを開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

BEYONDプログラムは、州・地方自治体・部族・準州の各政府と民間企業が連携し、実証を通じて、運航規則や性能基準の策定に向けたデータの収集、地域社会からのフィードバックの収集、ドローン活用による社会的便益の把握などを行う。

2020年に実施した第1フェーズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、カンザス州運輸省、テネシー州メンフィス・シェルビー郡空港局を含む8つの主要参加機関(注1)が、それぞれ大学や企業と連携し、合計で7万回以上の飛行を実施した。今回の第2フェーズでは、さらに最大8つの機関を追加選定する予定で、操縦者が肉眼で確認できる範囲外で行われる「目視外飛行(Beyond Visual Line of Sight:BVLOS)」(注2)の運用、災害など公共安全を目的とした任務、空港内の運航、その他の複雑な空域での運航などにおける課題の解決に向け、実証規模を拡大する計画だ。

なお、BVLOS運用拡大を巡っては、規制の策定が進んでいる。ドローンなど小型無人航空システムの規則を定める連邦規則集(CFR)第14編パート107外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、ドローンの飛行は、操縦者が目視できる範囲内で行われることが義務付けられている。そのため、BVLOS飛行を行う者は、同規則が定める適用除外制度を申請し、運航許可を得る必要がある。そうした中でFAAは2025年8月、BVLOS飛行を標準化するための規則案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同規則案では、CFR第14編に新たにパート108を設け、BVLOSの運航許可や運航時の衝突回避要件、機体の耐空性に関する要件や記録保存に関する規則などが盛り込まれた。

ドナルド・トランプ大統領は2025年6月に発表した大統領令14307号「Unleashing American Drone Dominance」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、商業・公共安全目的のBVLOSを通常運航可能にする規則の策定をFAAに指示していた。なお、同政権は外国製ドローンへの依存低減や国内生産拡大を目的として、産業政策と安全保障政策の両面からドローン政策を推進している(2026年8月17日記事参照)。

(注1)その他6つの機関は、バージニア州ミッド・アトランティック・アビエーション・パートナーシップ(MAAP)、ノースカロライナ州運輸局、ノースダコタ州運輸局、ネバダ州リノ市、アラスカ大学フェアバンクス校(UAF)。

(注2)操縦者が肉眼で確認できる範囲外で行われる飛行を目視外飛行(BVLOS)、範囲内で行う飛行を目視内飛行(Visual Line of Sight:VLOS)という。BVLOSでは、飛行範囲が広がるため、荷物や重要物資の配送、インフラの監視など幅広い分野での利用が期待されている。

(大原典子)

(米国)