最低賃金は2027年1月に全国平均で7.8%引き上げへ、国家賃金評議会の最終案決定

(ベトナム)

ハノイ発

2026年08月03日

ベトナム政労使で構成する国家賃金評議会は7月16日、2027年地域別最低賃金2回目協議を行い、2027年1月1日から月額最低賃金を全国平均で7.8%引き上げる案を同評議会の最終案として決定した。同最終案は今後政府に提出され、首相の承認を経て正式に公布される見通しだ。今回の引き上げ率は、2026年の7.2%(2025年7月24日記事参照)を0.6ポイント上回る水準となった。地域別では月額31万~39万ドン(約1,900~2,400円、1ドン=約0.0062円)の引き上げとなる。

最低賃金額は、政令に基づいて地域別に設定される(注、添付資料表参照)。国家賃金評議会の提案によると、ハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市を含む地域1は531万ドンから570万ドン(7.3%増)、地域2(バクニン省、ダナン市、ドンナイ省など)は473万ドンから508万ドン(7.4%増)、地域3(フンイエン省、ゲアン省など)は414万ドンから445万ドン(7.5%増)、地域4(地域1~3以外)は370万ドンから404万ドン(9.2%増)へ改定する。特に、地域4では34万ドン引き上げとなり、引き上げ額では地域3(31万ドン)を上回った。これは、最も賃金水準の低い地域の労働者の生活水準改善を目的とした調整だ。

労働者代表の労働総同盟(VGCL)のゴ・ズイ・ヒエウ副会長は「7.8%の引き上げ率は近年では高水準であり、経済の前向きな動きを反映している」と評価した。また、最低生活を保障できる賃金水準の確保は、政府が掲げる2桁成長目標の達成にも資するとの見方を示した。

一方、使用者代表のベトナム商工連盟(VCCI)のホアン・クアン・フォン副会頭は、厳しい経済環境の中で、企業負担の増加への懸念を示しつつも、今回の引き上げ案に同意した。その上で、労働者側にもスキル向上や労働規律の強化、生産性向上に取り組む必要があるとの認識を示した。

統計局によると、2026年上半期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比4.38%上昇した。特に住宅・水道光熱費・建設資材は6.7%上昇した。

また、VGCLが2026年3~4月に実施した調査では、賃金が日常生活費だけでなく、住宅取得や貯蓄、将来設計にも大きく影響することが示された。今回の引き上げ案が正式に決定された場合、企業は人件費負担の増加への対応を迫られる可能性がある。

(注)2025年7月1日の地方省・市再編後の最低賃金の地域区分の詳細は、政令128号(128/2025/ND-CP)付録1に記載されている。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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