インド当局が保険契約への販売担当者表示を義務化、2027年から不適切販売対策を強化

(インド)

ムンバイ発

2026年08月06日

インド保険規制開発局(IRDAI)は7月30日、「保険仲介業者規則改正〔Insurance Intermediaries(Amendment)Regulations, 2026〕」を公布した。改正の背景には、契約者保護の強化や不適切販売(ミスセリング)の抑制がある。

改正規則では、保険契約の募集・販売に関する責任の所在を明確化するため、2027年1月1日以降、保険代理店、保険マーケティング会社などの仲介業者が販売した保険契約について、保険申込書、保険証券、保険加入証明書には契約を勧誘した担当者の氏名と職務上の識別番号に加え、販売を行った支店や事務所の電話番号、電子メールアドレスの記載が義務付けられる。オンライン販売など、特定の販売担当者を介さずに契約が成立した場合は、仲介業者の責任者(Principal Officer)の電話番号およびメールアドレスを表示することが求められる。

IRDAIは規則改正の目的として、保険仲介業者の業務運営の透明性と説明責任の向上、契約者利益の保護を挙げている。インドでは保険普及の拡大に伴い、多様な販売チャンネルを通じた保険商品(生命保険・損害保険)の販売が増加しており、契約内容の十分な説明がないまま加入に至るケースなどが課題として指摘されていた(2025年6月16日記事参照)。今回の制度改正により、契約者がどの担当者を通じて保険商品に加入したかを容易に確認できるようになるため、苦情対応や規制当局による調査の実効性向上が見込まれる。

あわせて仲介業者の登録制度も見直され、従来は原則3年ごとの更新が必要だったが、今後は年次手数料を支払う限り登録が継続する恒久登録制度へ移行する。既存事業者には経過措置が設けられ、2027年1月31日までに新制度への移行申請を行う必要がある。さらに、仲介業者の責任者や販売担当者は、認定機関による理論・実務研修を3年ごとに25時間以上受講することが求められる。また、外国資本が過半数を占める事業者や年間手数料収入が1億ルピー(約1億7,000万円、1ルピー=約1.7円)を超える事業者に対しては、手数料収入や関連当事者取引、利益、配当金に関する開示義務も強化された。IRDAIは、販売規律の強化と消費者保護の充実を通じて、「全国民への保険普及(Insurance for All)」に向けた制度整備を進めていくとみられる。

(野本直希)

(インド)

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