スウェーデン政府、国内独自のPFAS規則案を公表、意見募集を開始
(スウェーデン、EU)
ロンドン発
2026年08月13日
スウェーデン政府は7月23日、国内独自の有機フッ素化合物(PFAS)を含む特定の製品の市場投入を制限する規則案を発表
し、意見募集を開始した。募集期間は2026年11月30日までとしている。
同規則案は、同日採択されたPFAS問題への対応、特に水域や自然環境へのPFASの拡散を抑制するための「PFASに関する国家行動計画
」の一環であり、環境へのPFAS物質の拡散防止に向けた取り組みの目標水準を引き上げることを目的としている。
欧州委員会は現在、EUの化学物質規制であるREACH規則
の枠組み内で、PFASの包括的な規制に関する提案を審議しており、2027年中に対象製品を含むPFASの使用を幅広く制限するEUレベルのPFAS規制案
を提示する見込みだ。しかし、拘束力のある法制化までには、あと1~2年はかかると見込まれており、スウェーデン政府はEUに先んじて、独自に特定製品のPFAS使用制限措置の準備を進めている。
同措置はEUレベルのPFAS規制案を踏まえて策定されており、EUで提案された閾値(しきいち)を適用し(注)、その閾値を超える当該製品はスウェーデン市場で消費者に提供できなくなる。対象となる製品は、衣類および靴、衣類・靴用撥水(はっすい)・防汚剤、化粧品、台所用品、スキー用ワックスだ。また、それらの中古品や再生素材を含む衣類などの製品は、適用除外となる。
同措置は2028年1月1日から施行される予定だが、EUのPFAS規制が施行された時点で、措置は解除される方針だ。
また、スウェーデン政府は、水域および自然界へのPFASの拡散を削減するため、「PFASに関する国家行動計画」の強化に向けて、2026年度春季補正予算を通じて、「汚染地域の復旧・修復」に関する予算科目にさらに1,000万スウェーデン・クローナ(約1億7,000万円、SEK、1SEK=約17円)を拠出することを決定した。この追加拠出により、各行政機関が多分野で汚染を防止・管理するための、より強力な対策を共同で策定するための基盤を整える。
(注)EUのPFAS規制案は、約1万種類の化合物を対象とし、PFASの濃度に応じて製品の上市を規制する。いずれかのPFAS濃度が25ppb以上、または全てのPFASを合計した濃度が250ppb以上(ppbは10億個中にある対象物質の個数を表す濃度単位)の場合は製造、使用、または上市(市場投入)を禁止する。また、総フッ素濃度が50mgF/kgを超える製品については、事業者に対し、そのフッ素がPFAS由来か否かを証明する義務が課される。なお、規制案では18カ月の移行期間を設けるほか、移行期間終了後に用途に応じて5年または12年の適用除外期間を設ける方針。詳細は欧州化学品庁(ECHA)の“Annex XV Restriction Report
”を参照。
(バリオ純枝、篠崎美佐)
(スウェーデン、EU)
ビジネス短信 17fe3e9e7094f7b0





閉じる