インドCDMO大手アクムズがオリフレームの製造事業を買収、化粧品分野の受託製造体制を強化
(インド)
ムンバイ発
2026年08月12日
インドのCDMO(医薬品開発製造受託機関)大手アクムズ・ドラッグス・アンド・ファーマシューティカルズ(アクムズ)は7月23日、子会社を通じてスウェーデン系化粧品大手オリフレーム・インディアの製造事業を5億6,000万ルピー(約9億5,200万円、1ルピー=約1.7円)で買収すると発表した。買収対象にはウッタラーカンド州ルールキー工場とウッタル・プラデシュ州ノイダ工場および倉庫施設が含まれる。買収対象の施設にはスキンケア、ヘアケア、カラーコスメの製造施設が含まれる一方、オリフレームブランドの販売権や商標権は含まれない。
今回の買収の背景には、インドの化粧品市場の拡大がある。アクムズは今回の買収を通じてカラーコスメ分野へ参入するが、同分野はインドで高い成長が見込まれている。同社のサンジーブ・ジェイン・マネージングディレクターは、「化粧品、特にカラーコスメは現在のインドで最も成長の速い消費市場の1つ」と述べている(「エコノミック・タイムズ」紙7月23日)。アクムズは今回の買収により、既存のスキンケアやウェルネス製品に加え、化粧品分野の受託製造体制を強化する。
こうしたインドの化粧品市場拡大の背景には、女性向けに加え、男性向け化粧品市場の成長もある。ニューヨークを本社とする調査会社のアイマーク・グループによると、インドの男性向けグルーミング市場は2025年に24億5,000万ドルに達し、2034年には44億6,000万ドルまで拡大する見込みである。従来はシェービング用品やデオドラント、香水が中心だったが、近年は男性向けのコンシーラーやファンデーションなど肌補正商品を投入するブランドが増えている。同分野での日系企業との協業事例もあり、ラソイ・グループ傘下でムンバイを本社とするJLモリソンはホーユーとの協業を通じて、主力ヘアカラー製品「ビゲン(BIGEN)」を男性向けひげ染め製品としても展開している(2025年10月8日付地域・分析レポート参照)。
また、男性向け化粧品市場の拡大はインドに限った動きではない。市場調査会社フューチャー・マーケット・インサイツによると、世界の男性向けカラーコスメ市場は2025年に197億ドルとなり、2036年には551億ドルにまで拡大する見通しで、年平均成長率(CAGR)は9.8%と予測されている。
業界関係者は、女性向け・男性向けともに美容市場は今後さらに拡大し、それに伴い化粧品の受託製造分野への投資や事業再編も活発化するとみている。
(野本直希)
(インド)
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