フランスのバイヤー・デザイナーが鹿児島の工芸・食関連事業者20社を訪問
(日本、フランス)
鹿児島発
2026年08月28日
ジェトロは7月19~25日、地域のニーズ、産業特性などに応じた海外販路開拓・拡大支援を行う「地域貢献プロジェクト」として、フランスから、バイヤーやデザイナーらを鹿児島県に招聘(しょうへい)した。来日した4社は、県内の工芸作家・事業者や農林水産物・食品関連事業者など20社を訪問し、商談した。
鹿児島県は温帯から亜熱帯にわたって南北600キロメートルに広がり、県域に28の有人離島が存在する。今回の視察・商談参加者たちは、鹿児島県を多様な文化が共存する希少な地域と位置付け、土地・食・素材・工芸が織りなす総合的な文化圏としての魅力を発掘し、欧州に向けて発信することを目的としていた。
20日は屋久島で、木工や陶器の作家の工房や、たんかんや茶の生産や加工品の製造・販売を行う事業者など5社を訪問した。
屋久島の木工作家と対話する参加者たち(ジェトロ撮影)
21~22日は、鹿児島市、薩摩川内市、日置市、南九州市などで、桜島の火山灰や坊津の土など地場の素材や自然の風合いなどを特徴とする陶磁器作家、持続可能なものづくりを追求する革職人、薩摩焼の窯元、竹細工の職人などの6つの工房を訪問した。23日は奄美大島で、本場大島紬や、テーチ木染め(注1)、泥染め(注2)などの染色、奄美のバショウの繊維から糸をつむいだ織物を手掛ける作家の工房など3軒を訪問した。24~25日は、姶良市、鹿児島市、霧島市、薩摩川内市、さつま町、曽於市で、黒酢やゆずの生産および加工品の製造・販売を行う事業者、和紙や黒薩摩焼の作家、薩摩切子の工房、龍門司焼の窯元といった6カ所を訪問した。
黒酢製造・加工事業者を訪問(ジェトロ撮影)
工芸作家や事業者からは、「生産・作業現場に足を運んでもらい商談したことで、製品を見てもらうだけでなく、ものづくりの背景や思いを伝えることができた」「海外の人の目線から率直な反応が得られた」といったコメントがあった。視察・商談参加者からは、鹿児島県の工房や企業の特徴・強みとして、土地に根差したクラフトマンシップ、多様性、伝統的なものづくりを継承しながら新たな展開を試みる姿勢や、海外を含めた外部とのコラボレーションへの意欲の高さなどが挙げられた。
(注1)テーチ木〔和名:車輪梅(しゃりんばい)〕をチップにして、釜で煎じた液で糸を染める作業。何度も液を替え、繰り返しもみこみ染色すると、糸が赤茶色に染まる。
(注2)テーチ木で染められた糸を泥田の中でもみこむ。糸に染みこんでいたテーチ木のタンニン酸と泥田の鉄分が反応して、糸が赤茶色から徐々に黒く変わっていく。
(田中佳恵)
(日本、フランス)
ビジネス短信 0bcbf041b826089f





閉じる