米ミシガン州知事、データセンター建設による負担から州民を守る計画を発表

(米国)

シカゴ発

2026年07月28日

米国ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)は7月15日、人工知能(AI)関連需要の拡大に伴うデータセンター投資の増加を見据え、「Michigan Affordable and Responsible Growth Action Plan(経済的で責任ある成長行動計画)」を発表した。同計画は、データセンター開発に伴う電力・インフラコストを一般家庭や中小企業に転嫁させないことを基本方針とし、事業者に対して電力網増強費用やエネルギー・水利用コストの全額負担を求め、天然資源を保護する内容となっている(注1)。

この計画には次の2つのポイントがある。

(1)ミシガン州公益事業委員会(MPSC)が既に導入しているデータセンター向け規制措置を州法化する。具体的には、最低需要料金の設定(注2)、契約解除手数料、信用保証や担保要件、最低契約期間の設定などを法制化し、データセンター利用者が電力系統への負荷に見合った費用を負担する仕組みを強化する。

(2)データセンター事業者に対し、「Michigan Affordability and Responsible Growth Pledge(経済的で責任ある成長誓約)」への署名を求める。誓約では、データセンターの電力需要による料金上昇の負担を地域住民や中小企業に負わせないこと、新たな発電能力や再生可能エネルギーの導入を進めること、長期電力契約の締結、水資源の保全、地域雇用の創出、事業運営や環境対応に関する透明性確保など10項目の順守を求めている。

全米州議会議員連盟(NCSL)よると、2026年7月1日の時点で、15州でデータセンター規制法案が提出されている(注3)。ニューヨーク州では、7月14日に大規模データセンターに対する新規許認可を一時停止する知事令が発令され、全米初の導入規制を設けた州となった(2026年7月17日記事参照)。

ミシガン州では2025年1月17日、同州にデータセンターを建設するテクノロジー企業に対して、税制優遇措置を定めた法律(House Bill 4906)が成立している。今回の発表では、同州へのデータセンター建設投資を歓迎しつつも州民保護を重視する姿勢を明確にしたといえる。同州には現在、77カ所の計画・開発中を含むデータセンターが存在する。

(注1)ピュー・リサーチ・センターによると、2026年4月の時点で、全米で1,500カ所以上の新規データセンターが、さまざまな開発段階にあるという。一方、地域住民からは電気料金上昇や環境汚染などを懸念する声が多く、各州では建設の規制に関する法案が提出される動きがある。

(注2)最低需要料金(Minimum Billing Demand)とは、電力会社(特に大口・法人向け)が、実際の使用電力にかかわらず、請求の基準とする最低限の需要量を定めた基本料金。

(注3)規制法案が提出された州には、提出後に未成立・審議中・廃案になったものも含む。

(星野香織)

(米国)

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