「日印合同経済フォーラム」でエネルギー・経済安保などの協力深化を議論
(インド、日本)
調査部アジア大洋州課
2026年07月10日
ジェトロは7月2日、経済産業省などとともに、インドのニューデリーで「日印合同経済フォーラム」を開催した。会場には日本側から150社超、インド側から100社超が参加し、日印経済関係のさらなる発展に向けた意見交換が行われた。
フォーラムでは、次のような4つのテーマに沿ってパネルディスカッションが行われ、企業や大学関係者がそれぞれの取り組みや今後の協力の方向性について発表した。
1.エネルギー・鉱物資源
エネルギー安全保障と脱炭素の両立に向けた日印協力の可能性について議論が行われた。企業からは、インドでのグリーンアンモニア製造プロジェクトや太陽光発電分野での協業の取り組みが紹介された。登壇者らは、インドの豊富な再生可能エネルギー資源と日本の技術力を組み合わせることで、エネルギー供給源の多様化と脱炭素化の双方に貢献できるとの考えを示した。また、発電や船舶、産業用途でのアンモニア利用技術や次世代太陽電池の開発なども紹介され、クリーンエネルギー分野での日印連携のさらなる拡大に期待が示された。
2.経済安全保障、イノベーション・人的資本
人工知能(AI)、半導体、量子技術などの先端分野を中心に議論が行われた。参加企業からは、インドの豊富なデジタル人材や研究開発力と日本の製造技術や産業基盤を組み合わせることで、イノベーション創出や経済安全保障の強化につながるとの認識が示された。また、半導体分野では生産拠点やサプライチェーン整備、人材育成、産学連携を通じたエコシステム構築の重要性が指摘されたほか、AIや量子技術を活用した産業競争力強化に向けた協力の可能性についても意見が交わされた。
3.「開かれたインド太平洋」、メーク・イン・インディア・フォー・ザ・ワールド、日印アフリカ協力に向けた戦略的展望
インドを起点とした第三国展開やグローバルサウスとの連携強化について、議論が行われた。企業からは、インドの製造力や人材と、アフリカにおける事業基盤やネットワークを組み合わせることで、新たな成長機会を創出できるとの見方が示された。また、現地調達の拡大や人材育成を進めながら、インドをグローバルサウス向け事業の中核拠点として活用する構想も紹介された。自動車、ヘルスケア分野などの事例が共有され、インドを世界へ向けた製造輸出拠点としていく「メーク・イン・インディア・フォー・ザ・ワールド」の実現への期待が示された。
4.地域連結性とインド北東部における産業バリューチェーンの構築
人材育成や産学官連携を通じた地域発展の可能性について議論が行われた。大学からは、長年にわたる日印間の教育・研究連携の成果や、AI、半導体、ライフサイエンス、再生可能エネルギーなどの各分野での共同教育・共同研究の取り組みが紹介された。また、大学、企業、政府機関が連携した共創基盤の構築を通じて、高度人材の育成やイノベーション創出を促進し、日本とインド北東部を結ぶ新たな協力モデルの形成を目指す考えが示された。さらに、地域間連携を通じた持続的な産業発展の重要性も共有された。
今回のフォーラムは、企業や大学による具体的な協業案件や将来構想が共有される場となった。エネルギー、先端技術、人材育成、グローバルサウス連携など幅広い分野で日印協力の可能性が示され、企業間連携の具体化や投資拡大に向けた動きを加速させる契機となった。フォーラム終了後には、参加企業・団体によるネットワーキングも開催され、出席者同士が活発に意見交換を行うなど、新たなビジネス機会や連携創出に向けた交流が行われた。
(黒田将司、深津佑野)
(インド、日本)
ビジネス短信 f6bc1165cad59af2





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