チリの6月消費者物価指数は前月比横ばい、市場予想を上回るも燃料安で伸び抑制

(チリ)

サンティアゴ発

2026年07月09日

チリ国家統計局(INE)は7月8日、2026年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前月比0.0%だったと発表した。市場では前月比0.2~0.3%程度の低下が予想されていたため、結果は予想を上回った。年初来の上昇率は2.8%、前年同月比では4.3%となり、5月の3.9%から加速した(添付資料図参照)。3月(1.0%)、4月(1.3%)の急伸後、5月(0.2%)に続いて前月比での物価上昇は落ち着いたものの、前年同月比では依然として中央銀行目標の3%を上回っている。

費目別では、「食料・飲料(酒類を除く)」が前月比0.8%上昇し、全体を0.169ポイント押し上げた。特にパン・穀物・小麦粉・パスタが3.0%上昇し、パンは4.5%、チーズは2.1%の値上がりとなった。一方で、「交通」は1.3%下落し、全体を0.181ポイント押し下げた。自家用車燃料が3.3%下落したほか、ガソリンが2.5%、軽油が8.0%、国際航空旅客輸送が5.6%それぞれ下落し、食料品価格上昇の影響を打ち消した。「衣類・履物」も6.1%下落し、インフレ抑制要因となった。

変動の大きい品目を除いたコアCPIは前月比0.2%上昇した一方、食品とエネルギーを除く指数は0.1%低下した。シンクタンクのチリ・カトリカ大学のラテンアメリカ経済社会政策センター(Clapes UC)は、燃料価格のインフレへの寄与度が3カ月連続のプラス寄与からマイナス寄与へ転じたことを指摘し、3月以降続いた燃料高騰の直接的影響は終了したとの見方を示した。また、金融協同組合コオペウチの調査部門(Coopeuch Estudios)は、燃料価格下落と予想以上の食料価格上昇が相殺された結果だと分析している。

ダニエル・マス経済兼鉱業相は今回の結果について、「物価安定を反映した前向きな兆候」と評価する一方、「食料品を中心に生活必需品への価格上昇圧力は依然として家計の大きな懸念材料だ」と述べた。金融市場では今後の追加利下げの時期にも関心が集まっている。サンタンデール銀行は、今回の結果が金融政策の見通しを大きく変えるものではないとして、2026年末まで政策金利4.5%を維持すると予想している。インフレ率については、スコシアバンクは燃料高騰の二次的影響がなお残るとして、2026年のインフレ率予測を4.5%に据え置いた。

(橋爪優太)

(チリ)

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