米ミシガン州とカナダ・オンタリオ州を結ぶ国際橋が開通、物流網の混雑緩和に期待

(カナダ、米国)

調査部米州課

2026年07月28日

カナダのオンタリオ州ウィンザーと米国のミシガン州デトロイトを結ぶ「ゴーディ・ハウ国際橋」が7月27日に開通した。同橋はデトロイト川をまたぐ全長約2.5キロメートルの斜張橋で、片側3車線を備える。カナダ側のハイウエー401号線および米国側の州間高速道路75号線(I-75)が接続され、両国間の物流網の混雑緩和が期待される。

ウィンザー~デトロイト間は北米で最も交通量が多い国際越境ルートの1つで、米国運輸省運輸統計局(BTS)によれば、2025年にはデトロイトからウィンザーへ約113万台のトラックが通行した。自動車産業を中心に、米国中西部とオンタリオ州をまたいで形成されているサプライチェーンを支える交通の要衝となっている。

これまで同地域のトラック輸送は、1929年に開通した私有の「アンバサダー橋」への依存度が高かった(注1)が、近年は通行料金の上昇が課題となっている。商用トラックの通行料金(注2)は2022年から5年連続で引き上げられ、2026年1月には20ドルとなった。一方、オンタリオ州ポイントエドワード~ミシガン州ポートヒューロン間の「ブルー・ウォーター橋」における商用トラックの通行料金は7カナダ・ドル(約805円、Cドル、1Cドル=約115円)にとどまる。こうした料金差などを背景に、一部の物流業者が比較的安価なブルー・ウォーター橋へ輸送経路を切り替えた結果、オンタリオ州~ミシガン州間全体のトラックの通行量はほぼ横ばいで推移する中、デトロイト経由の通行量は減少し、ポートヒューロン経由の通行量は増加している(添付資料図参照)。新たに開通したゴーディ・ハウ国際橋の通行料金は、12Cドル(約1,380円)となっている。

ゴーディ・ハウ国際橋は、当初6月上旬の開通とされていたが、通行料金収入の扱いを巡る米・カナダ間の意見対立により開通が延期されていた。2012年に締結されたカナダ政府とミシガン州政府の協定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、カナダ政府が建設費用を全額負担し、通行料金の収益を通じて投資資金を回収する枠組みとなっていた。しかし、米国のトランプ政権が収益配分の見直しを要求したことで、開通から15年間は運営費用を除いた収益の50%を米国政府が管理する「米国・カナダ経済開発基金」に拠出するなどの新たな合意外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが締結され、カナダ国内で批判が上がっている。また、米国のドナルド・トランプ大統領が7月20日、1930年関税法338条に基づき、一部のカナダ産品に50%の追加関税を課すことを発表したことから(2026年7月21日記事参照)、カナダ政府は7月24日にウィンザーで行われた開通式典に米国政府関係者を招待しなかった。新たに開通した国際橋を巡っても、両国間の対立が浮き彫りになっている。

(注1)近くに「デトロイト・ウィンザー・トンネル」も存在するが、トンネルの車高規制からトラックの通行に向いていない。

(注2)記事内の通行料金は全て、1車軸当たりの片道料金。

(木村勇翔)

(カナダ、米国)

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