中国、2026年度の人型ロボットとエンボディドAIに係る実地訓練特別行動に関する通知を発表

(中国)

北京発

2026年07月01日

中国の工業情報化部と国務院国有資産監督管理委員会は6月8日、「2026年度の人型ロボットおよびエンボディドAI(EAI)に係る実地訓練特別行動の共同実施に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

同通知では、工業、サービス、特殊用途などの重点活用シーンで、実地訓練を通じて、EAIモデルのアルゴリズムの最適化、高品質な実機データの蓄積、本体主要部品の性能向上を図るとしている。また、2026年末までに、人型ロボットなどの重点製品について、一部の代表的なシーンで先行して応用検証と継続的な導入を進め、100件以上の高付加価値の応用シーンを創出するとともに、1万台規模の導入能力を形成する方針としている。

通知では、(1)実地訓練スペースの構築、(2)イノベーション応用コンソーシアムの設立、(3)実用的な作業技能の開発、(4)実環境での応用検証と継続的な配備の強化、(5)重要分野の基盤整備の強化(標準化の推進、人材育成、金融支援などを含む)、(6)蓄積された知見の整理・普及といった6つの側面の具体的な取り組みが盛り込まれた。

(1)では、工業、サービス、特殊用途分野を中心に、製造、検査分析、保守・メンテナンス、倉庫・物流、飲食・小売り、医療・介護、安全生産、緊急救援、防災・減災といった主要シーンにおける人型・4足ロボットの応用ニーズを踏まえ、目的や作業内容が明確で、標準化レベルが高く、経済性を備えた具体的な活用シーン(注1)を選定し、実地訓練スペースの基盤とする。

(2)では、ユーザー企業、ロボット完成機メーカー(またはアプリケーションサービスプロバイダー)を主体とし、モデルアルゴリズムや部品などを提供するサプライヤー企業や研究機関と連携し、シーンごとにイノベーション応用コンソーシアムの設立を支援するとした(注2)。

(3)では、イノベーション応用コンソーシアムに対し、実際の職務要件に対応した作業スキルパッケージを構築し、完成機として実装可能で広く展開できるソリューションの形成を促すとした。

中国信息通信研究院・人工知能研究所の魏凱所長は、今回の措置について、短期的にはモデルケースとなるシーンの創出と大規模実装によって人型ロボットやEAIの需要を喚起し、サーボモーターや減速機、センサーなどの主要部品の国産化やソフトウエア・ハードウエア製品の実環境での実証と改良を加速させると指摘した。また、中期的には、膨大な実環境データを基にEAIの大規模モデルのトレーニング基盤を整備し、コンソーシアムモデルにより産業チェーンの中核企業や専精特新企業(注3)を育成し、展開可能な商用化モデルの確立が期待されるとの見方を示した(「経済参考報」6月10日)。

(注1)生産作業拠点、サービス提供拠点、緊急対応拠点などを含むが、これらに限定されない。同通知では、北京市、天津市、上海市、江蘇省、浙江省、山東省、湖北省、湖南省、広東省、四川省の10地域に対し、具体的な活用シーンを20件以上(工業・サービス・特殊用途分野のうち少なくとも2分野を含む)選定するよう求めている。また、中央国有企業に対しては、自社の業種分野に応じて10件以上の活用シーンを選定するよう求めている。

(注2)ユーザー企業は実地訓練スペースを提供し、目標設定や活用シーン要件の具体化、データ提供、実証・評価に協力する。ロボット完成機メーカーはその環境を活用し、タスク計画や操作の実行、人とロボットの協働といった課題の解決に取り組み、製品をシーン要件に適合させる。サプライヤー企業や研究機関は、主要部品の高度化や共通技術の研究開発を進め、実証と大規模展開を支える役割を担う。

(注3)専門性を有し、精密な技術力を持ち、独自性のある革新的な中小企業。

(張敏)

(中国)

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