南オーストラリア州で天然水素の開発進む、三菱ガス化学がグリーンメタノール事業化検討の覚書締結を発表

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2026年07月08日

三菱ガス化学は6月29日、オーストラリアの天然水素・ヘリウム探査会社ゴールド・ハイドロジェン(Gold Hydrogen)と、南オーストラリア州ヨーク半島で天然水素を活用したグリーンメタノール製造の事業化可能性を共同で検討するための覚書(MOU)を締結したと発表した。ゴールド・ハイドロジェンが同州で開発を進める「ラムゼー(Ramsay)プロジェクト」から供給される天然水素を主要原料とし、再生可能電力や地域インフラの活用も視野に入れながら、2026年後半に予備的事業化調査を開始する計画だ。

天然水素は、地下の地質作用によって自然に生成・蓄積される水素で、「ホワイト水素」や「ゴールド水素」とも呼ばれる。製造工程を経ずに利用できる可能性があることから、現在は商業利用に向けて資源量や生産性などの検証が進められている。

南オーストラリア州では、天然水素の実用化に向けた制度整備が進められており、石油探査ライセンス(PEL)の制度を活用して天然水素事業を進められる環境を整備している。同州では現在、ゴールド・ハイドロジェンに加え、同じく天然水素・ヘリウム探査を手掛けるH2EXの2社がPELを取得し、天然水素プロジェクトを進めている。ゴールド・ハイドロジェンは2023~2024年に同プロジェクトで天然水素とヘリウムの存在を確認したとして、現在は商業化に向けて資源量や生産性の評価を進めている。

三菱ガス化学は、排出CO2(二酸化炭素)、廃プラスチック、バイオマスなどを原料としてメタノールを製造し、循環利用する構想「カーボパス(Carbopath)」を推進している。今回のMOUは、天然水素を活用したグリーンメタノール供給網の可能性を検討するもので、オーストラリアで進む天然水素探査と日本企業の下流利用技術を結び付ける初期段階の取り組みとなる。天然水素の商業化は依然として検証段階にあるものの、南オーストラリア州では制度整備と探査活動が進展しており、エネルギー転換を支える新たな資源開発分野として今後の動向が注目される。

(ストーリー愛子)

(オーストラリア、日本)

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