ケニアで2026年財政法が施行、デジタル課税強化と投資優遇を導入

(ケニア)

ナイロビ発

2026年07月17日

ケニアのウィリアム・ルト大統領は6月23日、「2026年財政法(Finance Act 2026)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に署名し、同法が成立した。大半の規定は7月1日に施行された(注1)。同法には、税収基盤の拡大を目的に、デジタル経済や金融サービスへの課税対策が盛り込まれた。一方で、インフラ・エネルギー分野を中心とした投資促進策も導入された。

所得税法改正(注2)では、デジタル決済プラットフォームやカードネットワークの利用料などをロイヤルティーに位置付け、源泉徴収税の対象とした。また、加盟店手数料やインターチェンジフィー(カード会社間の手数料)についても課税対象とした。さらに、ケニア資産やケニア法人に関連する間接的な株式譲渡に対しても課税範囲を拡大し、国際取引に対する課税を強化した。

付加価値税(VAT)法(注3)では、フィンテック事業者が提供する決済処理や決済代行などのサービスを免税対象から除外し、標準税率16%のVATが適用されることとなった。一方、人材派遣・アウトソーシングサービスについては、人件費部分を課税対象から除外し、サービス手数料のみを課税対象とすることで企業負担の軽減を図った。

税務手続法(注4)では、暗号資産サービス事業者に対して年次報告義務を課すとともに、税務当局(KRA)が第三者情報や電子インボイスデータを活用して課税できる権限を拡大した。加えて、外国税務当局との情報交換制度を導入した。

一方、投資促進策として、石油・ガス貯蔵施設や大規模インフラ投資を対象とする税制優遇措置を導入したほか、不動産投資信託(REIT)への不動産移転に係る税負担を軽減した。ケニア政府はこれらの措置を通じて、民間投資の呼び込みと産業育成を図る考えだ。

(注1)7月1日施行の対象外となる主な規定は、個人所得税申告期限の短縮(2027年1月1日施行)、非居住者鉱業・石油請負業者に係る送金所得税率の変更(2027年1月1日施行)、輸出申告書などの保存業務(2026年9月1日施行)。

(注2)主な所得税改正は、次のとおり。

デジタル決済ネットワーク利用料をロイヤルティーとして源泉徴収税対象化/スクラップ金属取引(1.5%)およびギャンブル賞金(20%)への源泉徴収税導入/非居住者の賃貸所得に対する月次申告・納税義務の導入/REIT向け資産移転に係るキャピタルゲイン税の免除/100億ケニア・シリング(約125億円、1ケニア・シリング=約1.25円)超の投資に対する初年度100%投資控除の導入、など。

(注3)主なVAT改正は、次のとおり。

フィンテック決済処理サービスを課税対象化/透析器、医薬品原料、スクラップ金属などをVAT免税対象に追加/PPP(官民連携)方式のインフラ事業向け物品・サービスを免税対象化/50億ケニア・シリング以上の液化石油ガス(LPG)貯蔵施設・関連インフラ投資向け設備を免税対象化、など。

(注4)主なその他の改正は、次のとおり。

暗号資産サービス事業者への年次報告義務導入/クラシックカーへの50%の物品税新設/輸入砂糖に対する物品税引き上げ/REITへの不動産移転に係る印紙税免除/個人所得税申告期限を2027年以降、課税年度終了後6カ月以内から4カ月以内へ短縮、など。

(ピース・ルムンバ)

(ケニア)

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