米保健福祉省・国務省、高リスクの生命科学研究への資金提供を制限する方針を発表

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月31日

米国保健福祉省(HHS)と国務省は7月28日、高リスクの生命科学研究への連邦資金の提供を制限する方針を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)。本方針は、2025年5月5日に発令された「生物学的研究の安全性とセキュリティーの向上」に関する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを受けて策定したものだ。

具体的には、「病原体などの危険性を高め得る研究(DGOF)」と「国際的に懸念される生命科学研究(IROC)」の2つのカテゴリーに該当する研究への資金提供を制限または禁止する。IROCには、懸念国や懸念される機関・研究者による研究のほか、公衆衛生、公共の安全、経済安全保障、国家安全保障に対する脅威となり得る海外研究が含まれる。

本方針により、連邦資金の助成を申請する際、申請者は自身の研究がこれらのカテゴリーに該当するかを書面で申告する必要がある。該当する場合には、申請書の提出前にリスク・ベネフィット分析を実施しなければならない。連邦政府から資金提供を受けた場合、政府が承認したリスク軽減計画に基づき研究を実施することが求められ、助成後も少なくとも年1回の継続的な審査・評価を受ける。なお、ベネフィットがリスクを上回ると判断され、かつ当該研究が公衆衛生上または農業上の緊急事態への対応、あるいは国家安全保障上極めて重要である場合には、審査を迅速化できる。また、連邦資金を提供する機関は、これらの審査を行うため、本方針の発効から90日以内に独立した第三者審査機関を設置する。

そのほか、国家情報長官らは、本方針の発効から120日以内に、懸念対象機関などの一覧を公表するとともに、毎年その内容を見直し、更新する。連邦資金を提供する機関は、180日以内に助成対象者による本方針の順守状況を確認できる体制を整備する。違反が確認された場合には、資金提供の取り消しや、最大5年間の連邦政府の生命科学関連資金の受給資格停止などの措置を科す。

トランプ政権は、研究開発を担う機関に対する予算削減を提案しており(2026年4月15日記事参照)、本方針はトランプ政権下で進む生命科学研究への監督強化の一環と位置付けられる。

(注)方針は7月20日付だが、HHS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます国務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは7月28日に共同声明を発表している。

(大垣ジャスミン)

(米国)

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