トランプ米政権、AI活用の「ジェネシス・ミッション」に50億ドル超を投入する方針を発表

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月28日

米国のマイケル・クラツィオス大統領補佐官(科学技術担当)兼ホワイトハウス科学技術政策局長(注)は7月22日、「ジェネシス・ミッション」に対して50億ドル以上の連邦資金を投入する方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本ミッションは、2025年11月に発足した、人工知能(AI)を活用して科学技術上の課題に対する革新的な解決策を創出することを目的とした省庁横断的な取り組み(2025年11月26日記事参照)。併せて、AIを活用して解決を目指す、科学技術の優先課題外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表され、創薬、先端製造、エネルギーインフラ、量子コンピューティング、国家安全保障の強化などが具体的に示された。

今回の発表は、同日に首都ワシントンで開催された「ジェネシス・ミッション・サミット」に合わせて行われた。サミットでは、3月に実施されたジェネシス・ミッションに係る助成金申請募集の選定結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が発表され、342機関が参加する278件のプロジェクトが採択された。採択率は5.6%だった。このうち、最大の助成金を受けたのは、アイダホ国立研究所が主導する「プロメテウス」プロジェクトで、助成額は6,000万ドルだ。本プロジェクトは、原子力技術開発パイプラインの構築に焦点を当て、開発期間とコストの課題に対処することを目的としている。今回、新たに50億ドル規模の資金投入が発表されたことを受け、複数の機関が新たにミッションへの参加を表明しており、今後、取り組みのさらなる拡大が見込まれる(米科学専門誌「サイエンス」電子版7月23日)。

そのほか、ジェネシス・ミッションを巡る動きとしては、エネルギー省(DOE)が同日に、「ジェネシス・ミッション・コンソーシアム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げ、ジェネシス・ミッションから8億ドルの支援を確保したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同コンソーシアムは、DOEを含む政府、民間企業、学術機関を結集し、ミッションを推進するパートナーシップで、参加メンバーがパートナーを見つけ、技術を共有し、コンソーシアム内の資金調達機会を追求するためのチームを形成することを目的としている。

また、米国国立衛生研究所(NIH)は「バイオ・ジェネシス・ミッション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を推進している。これは、AIを活用することで、健康成果の向上と生物医学的研究の促進に焦点を当てるもの。具体的には、生物学的システムのAIモデル化、国家のバイオセキュリティー、小児がん、医薬品開発や慢性疾患などの解決に注力することを目指している。

なお、日本は、ジェネシス・ミッションにおける初の国際パートナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとなっている。日本と米国は、AIを活用した科学技術分野の課題解決を推進するため、今後5年間でそれぞれ5億ドルを投資する予定だ。

(注)クラツィオス氏は7月21日、政府の研究開発支援の重点分野を明確化するとともに、政府資金の配分先を研究機関中心から個々の研究者へシフトさせることなどを提言したホワイトハウス報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。

(大垣ジャスミン)

(米国)

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