米メタ、カナダで初のデータセンターをアルバータ州に建設へ
(カナダ、米国)
調査部米州課
2026年07月17日
米国のテクノロジー大手のメタは7月8日、カナダのアルバータ州スタージョン郡に、同社初のカナダ拠点となる人工知能(AI)向けデータセンター(DC)を建設すると発表
した。投資額は130億カナダ・ドル(約1兆4,820億円、Cドル、1Cドル=約114円)超で、同社にとって世界で33カ所目のデータセンターとなる。
アルバータ州政府の発表
によれば、DCの建設時に3,000人超の雇用を創出し、稼働後には約300人の雇用を支える見通しだ。また、税収やロイヤルティー収入などを通じて、同州に年間約2億5,000万Cドルの経済効果をもたらすとしている。
アルバータ州は豊富な天然ガス資源を有し、米国市場と比べて低コストで安定的なエネルギー供給が可能なことを強みとしている。このため、大量の電力を必要とするAI向けDCなどの誘致を進めており、2024年には「AIデータセンター戦略
」を公表した。同州は、大規模DCの立地に当たり、(1)事業者自身による電力確保、(2)事業運営に必要なインフラ費用の自己負担、(3)環境・水資源に関する基準の順守を求めている。
電力面では、メタがDC向けの新たな発電設備や送配電インフラへの投資を全額負担する方針を示した。同社は、送電事業者やアルバータ電力システム運用機関(AESO)との間で、安定的な電力供給に向けた事前調整を完了したとしている。また、同施設で使用する電力については、クリーンエネルギーや再生可能エネルギーで100%相殺する方針を掲げている。
環境面では、水資源への負荷低減を目的に、水使用効率の高い「閉ループ式液冷システム」(注)を採用する。これにより、冷却システムの運用に伴う水使用を実質的になくし、施設内での水利用は生活用水、消防・防火安全対策、設備保守用途に限定される。また、上下水道サービスにかかる費用も、全額メタが負担する。
さらに、メタの発表
によれば、同社は道路や水関連設備など地域インフラの整備に約6,000万Cドルを投資するほか、地域の非営利団体を対象とした助成プログラムを実施し、コミュニティ支援にも取り組む方針を示した。計画発表時には地域住民から不安の声も上がったが、同社はこうした取り組みを通じて地域社会との共生を図る考えだ。
アルバータ州のダニエル・スミス州首相は、「このプロジェクトは数千人規模の雇用を創出し、毎年数億Cドルの経済効果を生み出すだけでなく、電力供給の信頼性向上とコスト低減に寄与する」と述べた。また、メタのDC戦略・開発担当副社長のゲイリー・デマシ氏は、「スタージョン郡は、エネルギーやインフラへの優れたアクセスに加え、高度な人材や地域パートナーに恵まれている。今後も雇用創出や地域社会との連携を通じて、長期的な価値を生み出していく」とコメントした。
(注)冷却液を密閉された回路内で循環させ、外部に触れさせることなく発熱機器からの熱を回収・放熱する冷却方式を指す。
(木村勇翔)
(カナダ、米国)
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