第1四半期のGDP成長率は前年同期比2.3%、民間消費と輸出が好調も投資が停滞
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2026年07月02日
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は6月23日、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が季節調整済み前期比で0.7%、前年同期比で2.3%だったと発表した(添付資料図参照)。季節調整済み前期比は、7四半期連続のプラス成長となった。前年同期比も6四半期連続で堅調にプラス成長となり、民間消費と輸出の拡大がGDP全体の押し上げ要因となった。
GDP成長率を需要項目別(前年同期比)にみると、輸出が9.8%、民間消費が2.7%と拡大した(添付資料表参照)。民間消費の拡大についてINDECは、消費財が増加したことを背景として挙げている(注)。他方で、総固定資本形成がマイナス11.6%となり、その理由として、建設投資が2.2%増加したものの、輸送機器分野への投資が19.6%減、機械・設備への投資が18.1%減、その他の建設投資が9.4%減と減少したことを挙げている。
GDP成長率を産業分野別(前年同期比)にみると、漁業が27.5%、農業・牧畜・狩猟・林業が18.1%、鉱業・採石が12.3%、金融仲介サービスが7.5%と好調だった。一方、製造業はマイナス1.7%で経済成長の足かせとなった。
6月25日付現地紙「エル・クロニスタ(電子版)」は、政府が直接投資を拡大するために大型投資奨励制度(RIGI)などを導入したにもかかわらず、投資が減少している理由を専門家らに問うた。生産開発ネットワーク「ミシオン・プロドゥクティーバ」によれば、現在、投資を妨げる構造的な要因があると指摘している。まずは、内需の弱さだという。実質所得は低迷し、購買力が下がっていることで、企業側で生産拡大への動機が弱まっているという。次に、政府が公共事業を停止していることで、インフラだけではなく関連産業全体に影響し、民間投資の誘発効果も失われている。民間の建設事業も停滞していて、その理由として、ドル建て建設コストの高さや住宅需要の弱さ、住宅ローン市場の未発達により新規プロジェクトの採算性が低下していることなどを挙げている。他にも、民間向け融資が非常に少なく、長期投資を支える金融システムが十分に機能していないという。そして、長期的な視点で見ると、為替、需要、政策の持続性などへの不透明感がまだ強く、多くの企業が投資を先送りしていると説明している。
(注)2026年第1四半期の輸入は前年同期比7.5%減だったが、2025年通年の輸入が輸入支払い規制の緩和や関税引き下げなどによって大幅に増加したため、2026年第1四半期の消費に影響したとみられる。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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