北米最大級の産業自動化展示会「Automate 2026」開催
(米国、日本)
シカゴ発
2026年07月02日
北米最大級の産業自動化展示会「Automate 2026
」が6月22~25日に、米国イリノイ州シカゴで開催された。オートメーション推進協会(Association for Advancing Automation:A3)が主催する本展示会には約1,000社が出展し、ロボティクス、人工知能(AI)、マシンビジョン(注1)、モーションコントロール(注2)など、製造業の自動化技術に関する最新の技術やソリューションを展示した。期間中の来場者数は約5万人以上とみられる。日系企業では、ファナック、安川電機が会場の入口正面にブースを構えたほか、川崎重工、不二越(NACHI)、デンソー、オムロン、ニデック、THKなども大規模な展示を展開しており、日系企業のプレゼンスの高さがうかがえた。
会場では、個別機器の性能向上にとどまらず、それらを統合し工場全体の設計・運用を高度化する動きがみられた。AIやロボティクス、デジタル技術を活用した製造の高度化は、米国では一般に「先端製造(Advanced Manufacturing)」と呼ばれる。
先端製造とは、製造方法の高度化や新製品の生産を含む多様な技術分野にまたがるアプローチであり、デジタル技術やAIなどを用いた設計から生産までの統合的な高度化などを含む。米国政府は、先端製造を経済競争力や国家安全保障に直結する重点分野として位置付けている。その背景には、米中関係などの地政学的リスクの高まりに加え、労働コストの上昇や人材不足といった課題がある。こうした状況を受け、サプライチェーン再編や製造拠点の国内回帰に向けた政策支援が進められている。さらに、AIやクラウド技術の進展がこうした動きを後押ししている。
展示会では協働ロボット(注3)、自律走行搬送ロボット(AMR、注4)、AI外観検査(注5)、デジタルツイン(注6)などが紹介され、個別技術の高度化や製造の最適化に加え、工場全体への統合や拡張性も重視されていた。製造業の自動化は機器導入だけではなく、システム統合へと広がり、今回の展示会ではその方向性を示す事例がみられた。加えて、今回の展示会ではヒューマノイド(人型ロボット)に関する展示やフォーラムも設けられ、関連する技術が紹介されるとともに、工場や物流現場などでの実用可能性についても言及がみられた。
ABBロボティクス(本社:ミシガン州、スイスに本社を置くABBの米国法人)は、AMRやAIを組み合わせた自律型ロボティクスソリューションなどを展示(ジェトロ撮影)
コグネックス(本社:マサチューセッツ州)はAIを活用した画像認識技術による外観検査や品質管理ソリューションを展示(ジェトロ撮影)
ファナックアメリカ(本社:ミシガン州、ファナックの米国法人)は、制御技術やデジタルツインに加え、AIや物理シミュレーションを活用した自動化ソリューションを展示(ジェトロ撮影)
ユニツリー(本社:中国)は、四足ロボットやヒューマノイドを展示(ジェトロ撮影)
(注1)カメラや画像処理、AIを用いて、対象物を認識し判断する技術。
(注2)モーターを指示されたとおりに精密にそして効率良く動かす技術。
(注3)人と同じ作業空間で一緒に働けるよう、安全性に配慮して設計された産業用ロボット。
(注4)AIやセンサーを搭載し、自ら周囲の環境を認識し、最適なルートを判断して移動する自律型ロボット。
(注5)AIを活用して製品や部品の外観を自動的に検査するプロセス。
(注6)現実の物体や設備を仮想空間に再現し、シミュレーションによる検証や、リアルタイムデータに基づく分析・予測を行う技術。
(坂井愛子)
(米国、日本)
ビジネス短信 ac169315e3be7768





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