主要機関、バングラデシュの2026/2027年度経済見通しに慎重な見方
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年07月16日
アジア開発銀行(ADB)は7月9日、「アジア開発見通し(ADO)2026年7月版
」を公表し、バングラデシュの2026/2027年度(2026年7月~2027年6月)の実質GDP成長率を4.5%、インフレ率を8.8%と予測した。前回(4月)の見通しでは前者を4.7%、後者を8.5%としていたが、今回の予測では成長率を引き下げ、インフレ率を引き上げた。その要因としてADBは、輸出の伸び悩み、民間投資回復の遅れ、エネルギー価格の高騰、持続的なインフレ圧力などを挙げている。
これに対し、バングラデシュ銀行(BB)は6月21日に公表した2026/2027年度上期の金融政策声明の中で、実質GDP成長率を6.1%、インフレ率を上期平均8.9%、下期平均8.6%と見込んだ。実質GDP成長率については、政府がマクロ経済の安定回復と経済ショックの直接的な影響から脆弱(ぜいじゃく)な層の保護に重点を置く経済政策を実施することを前提としている。政府は6月11日に公表した新年度予算の中で成長率6.5%の目標を掲げたが、BBはこれを下回る予測を示したかたちだ。また、インフレ率に関しては、生産コストの上昇や継続的な不確実性がインフレ低下の阻害要因、と分析している。
IMFによる経済見通しは2026年4月更新のデータが最新となるが、バングラデシュの実質GDP成長率を4.7%、インフレ率を9.2%と見込む。また、IMFは7月13日にアミル・コスル・マフムド・チョードリー財務・計画相との間で、新たな融資プログラムの基本的枠組みについて一致し、政府が提案する段階的な改革実施の方針に理解を示した。
ADB、BB、IMFの見通しをみると、実質GDP成長率についてはいずれも政府目標の6.5%を下回る一方で、インフレ率についてはいずれも政府目標の7.5%を上回る水準を見込んでいる。これらの現状から、前年度と同様に、高インフレの抑制と景気回復の両立がバングラデシュ経済の引き続きの課題となっていることがうかがえる。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
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