上半期のCPI上昇率は前年同期比4.38%、高成長を背景に物価上昇圧力が継続
(ベトナム)
ハノイ発
2026年07月24日
ベトナム統計局は7月3日、2026年第2四半期(4~6月)の平均消費者物価指数(CPI)が前年同期比5.25%上昇したと発表した(添付資料表1参照)。2026年上半期平均では前年同期比4.38%上昇し、住宅関連費や交通費、食品価格の上昇を背景に物価上昇圧力がみられる(添付資料図1参照)。
上半期のCPI上昇への寄与が大きかったのは、「住宅・電気・水道・建設資材」「交通」「食品・飲食サービス」の3分野だった。住宅・電気・水道・建設資材は前年同期比6.72%上昇し、CPIを1.53ポイント押し上げた。建設資材価格の上昇や住宅修繕需要の拡大、賃貸住宅価格や家庭用電力料金の上昇が影響した。
交通分野は燃料価格の上昇を背景に5.23%上昇した。食品・飲食サービスは4.79%上昇し、全体のCPIを1.72ポイント押し上げた。豚肉や鶏肉価格に加え、原材料費やサービスコストの上昇を受けて外食価格も上昇した。
一方、ベトナム経済は2026年上半期の実質GDP成長率が前年同期比で8%を超え、製造業やサービス業を中心に高い成長を維持している(2026年7月10日記事参照)。堅調な内需や観光需要の拡大が経済成長を支える一方、住宅、サービス、外食などの価格上昇要因にもなっているとみられる。
供給面でも企業のコスト上昇圧力が続いている。工業生産の生産者物価指数(PPI)は上半期に前年同期比4.18%上昇し、生産用原材料・燃料・資材価格指数も同5.40%上昇した。ベトナム統計局は、中東情勢を背景にエネルギー価格や国際輸送コストが大きく変動したと指摘している。
ベトナム政府は、インフレ率を4.5%程度に抑制しながら、2026年のGDP成長率を10%以上とする方針を掲げる。上半期平均のCPI上昇率は4.38%と目標範囲内にあるものの、上限に近い水準で推移している。市場関係者からも物価上昇圧力の継続を指摘する声が出ている。英系スタンダード・チャータード銀行のベトナム・タイ担当シニアエコノミストのティム・リーラハパン氏は、2026年後半も交通、食品、住宅、建設資材価格の上昇を背景にインフレ圧力が継続するとの見方を示している。今後は、エネルギー価格や原材料価格の動向に加え、堅調な内需やサービス需要の拡大が物価に与える影響が注目される。
(吉田薫)
(ベトナム)
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