極右「国民連合」ルペン氏、2度目の有罪判決も、2027年大統領選立候補を表明

(フランス)

パリ発

2026年07月10日

パリ控訴院(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、フランス語)は7月7日、欧州議会公設秘書の架空雇用事件を巡り、極右政党「国民連合(RN)」を率いるマリーヌ・ルペン氏に対し、10万ユーロの罰金と禁錮3年(うち2年は執行猶予)の有罪判決を言い渡し、実刑部分は電子監視ブレスレット(電子タグ)による監視下の自宅拘禁を命じた。また被選挙権停止45カ月(うち30カ月は執行猶予)については、実刑部分の15カ月が既に履行済みと認定し、立候補の自由を考慮して、2027年大統領選への立候補を妨げないとの判断を示した。2025年3月31日にパリ司法裁判所が下した有罪判決に続く、2度目の有罪判決となる。

これを受けてルペン氏は7月7日、民放テレビTF1のニュース番組に出演し、控訴審判決により被選挙権を回復したことを歓迎する一方、欧州議会公設秘書の架空雇用事件については無実を主張し、最高裁判所に相当する破棄院に上告する考えを明らかにした。ルペン氏は、電子監視ブレスレットを装着したままで選挙運動は行わないと表明していたが、破棄院への上告により控訴審判決の効力が停止されるため、ブレスレットなしで選挙運動が可能になると説明し、2027年大統領選への立候補を正式に表明した。

ルペン氏の立候補表明を受け、各党から反応が相次いでいる。2027年大統領選への立候補を表明している中道与党「ルネサンス(Renaissance)」のガブリエル・アタル党首は、ルペン氏の立候補について「司法闘争によって大統領選が人質に取られている」と批判した。また、選挙戦が政策論争ではなく司法問題に終始していると指摘し、「RNにとっては政策を語らずに済む都合のよい状況だ」と述べた。

一方、中道右派政党「オリゾン(Horizons)」のエドゥアール・フィリップ党首は、ルペン氏について「立候補する権利はあるが、司法によって2度有罪判決を受けている」と指摘し、上告方針については「その選択について説明する責任がある」と述べた。

次回大統領選挙の第1回投票は2027年4月18日、第2回投票(決選投票)は5月2日に実施される。破棄院はこれまで、2027年大統領選前の判断を目指し、2027年1月ごろまでに結論を示す意向を表明しているが、通常、破棄院の審理には8カ月から1年程度を要するため、判断が大統領選後にずれ込む可能性も指摘されている。仮に大統領選前に控訴審の有罪判決が確定しても、執行時期を遅らせるための法的手段が残されている。大統領選まで電子監視ブレスレットなしで活動するための、利用可能なあらゆる法的手段が講じられるものとみられている。

極左「不服従のフランス(LFI)」は7月7日付の声明で、ルペン氏が控訴審でも有罪と認定されたことを強調する一方、「RNを打ち負かすのは裁判所ではなく政治の場だ」として、同党のジャン=リュック・メランション候補への支持拡大を訴えた。

調査会社イフォップ(Ifop)がルペン氏の立候補表明後に実施した世論調査(注)によると(7月8日発表)、控訴審で有罪判決を受けた後もマリーヌ・ルペン氏が2027年大統領選の第1回投票で首位を維持し、決選投票でも対抗馬がフィリップ氏、アタル氏、メランション氏のいずれであっても勝利するとの結果が示された。

ルペン氏の有罪判決と上告に対しては、国民の反応は総じて冷淡で、無関心または不満とする回答が過半数を占めた。一方、ルペン氏の大統領選立候補については56%が否定的だったが、同氏支持層の91%は立候補を支持している。

(注)7月7~8日に、フランスの18歳以上の984人を対象にオンラインで実施。

(山崎あき)

(フランス)

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