エジプト、窒素肥料の輸出関税10%に、相場高騰による輸出増を抑制、国内供給安定へ
(エジプト)
カイロ発
2026年07月07日
エジプトは窒素肥料の輸出関税を、従来の1トン当たり90ドルから輸出価格(注)の10%に改定した。6月25日付の投資・貿易省2026/258号省令で定めた。輸出時のインボイス価格が1トン当たり900ドル未満であれば、輸出者にとって新しい輸出関税が有利に働き、輸出拡大を通じて政府にとっては貿易赤字の削減に寄与する。一方1トン当たり900ドルを超えると輸出者にとっては輸出関税負担が重くなり、輸出動機が減退する。
窒素肥料は天然ガスを主原料とする。世界銀行は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を背景とした窒素系およびリン酸系肥料のコスト上昇と、底堅い世界需要によって、2026年の肥料価格指数が30%以上上昇すると予測している。従来の単位重量当たり定額の輸出関税では、相場が高騰するとメーカーは国内供給よりも輸出に振り向けて利益を得ようとする動機が働き、国内の農業に十分な窒素肥料を供給できなくなる懸念があった。輸出関税を定率にすることで、相場が高騰した際の輸出者の利益が従来の制度よりも削減されることから、国内供給に振り向ける効果が見込まれる。
2024年の窒素肥料の世界全体の輸出額は280億ドルで、このうちエジプトの輸出額は15億ドルと、ロシア(41億ドル)、中国(28億ドル)、オマーン(21億ドル)に次ぐ世界第4位で、シェア5.3%である。エジプトの窒素肥料の輸出先はトルコ(2億9,000万ドル)、スペイン(1億7,000万ドル)、フランス(1億6,000万ドル)、イタリア(1億3,000万ドル)などだ(ハーバード大学データベース「ハーバード・グロース・ラブ」)。
(注)省令上では「エジプト産業連盟化学工業会議所が認証したインボイス価格」の10%となっており、実質としてはFOB価格。窒素濃度が34.2%を超える純粋な硝酸アンモニウムは本輸出関税を免除される。
(西澤成世)
(エジプト)
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