インド、業務用LPG不足でゾマトの加盟飲食店数が初の減少
(インド)
ムンバイ発
2026年07月29日
インドのフードデリバリー大手ゾマトは、2026年度第1四半期(2026年4~6月)の月間平均アクティブ飲食店数(注)が32万8,000店となり、前四半期(2026年1~3月)の34万4,000店から減少したと現地紙が報じた(「フィナンシャル・エクスプレス」紙7月27日)。ゾマトの運営会社であるエターナルによれば、アクティブ飲食店数が前四半期比で減少するのは開示開始以来初めてとなる。同社のアルビンダー・シン・ディンドサ最高経営責任者(CEO)は、「この減少は業務用液化石油ガス(LPG)の供給不足に伴い、多数の飲食店が営業停止または稼働縮小を余儀なくされたことによるものだ」と述べている。
LPGの供給不足は、3月に中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の閉鎖により、インド向けLPG輸入が停滞したことが背景にある(2026年3月13日記事参照)。インド政府は家庭用需要を優先するよう石油販売会社に指示し、業務用LPGの供給を制限した。その後、供給は段階的に回復したものの、規制が全面解除されたのは6月下旬で、多くの飲食店は第1四半期を通じて燃料不足と価格高騰に直面した。特に影響を受けたのは中小規模の飲食店で、関係者によれば、供給制約のピーク時には、約2割の店舗が営業時間短縮やメニュー削減などの対応を迫られた。燃料備蓄が少なく価格転嫁も難しい事業者では、一時休業が恒久的な閉店に至るケースもあった。一方、大手チェーン店はガス在庫の確保や電力利用への切り替えにより、影響は軽微であったという。
他方で、こうした供給面の混乱が続く中、ゾマトのフードデリバリー事業は堅調だった。同四半期の注文額は前年同期比20.1%増の1,076億9,000万ルピー(約1,830億7,300万円、1ルピー=約1.7円)と拡大した。需要が伸びる一方で加盟飲食店数が減少したことは、インドの外食産業が直面する供給制約の深刻さを物語っている。
(注)ここでは、ゾマトのプラットフォーム上で実際に営業し、一定期間内に注文を受け付けている飲食店の数を指す。
(野本直希)
(インド)
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