日米韓外相、小型モジュール炉(SMR)の展開に向け、3国間協力覚書に署名
(米国、日本、韓国)
ニューヨーク発
2026年07月08日
米国務省は7月7日、トルコのアンカラで開催されるNATOサミットに合わせ、日本、韓国ともに、小型モジュール炉(SMR)の第三国での展開に向けた3国間協力覚書(MOC)
に署名したと発表した。署名式典
には、マルコ・ルビオ米国務長官、日本の茂木敏充外相、韓国の趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官が参加した。同覚書は、インド太平洋地域を当面の重点地域とし、安全で信頼性の高い原子力エネルギーの導入を支援するため、3カ国の政府および産業界の協力強化を目的としている。
覚書では、商用原子力分野において相互補完的な強みを有する日米韓3カ国が、各国の原子力産業間の連携を促進するための枠組みを構築すると明記している。具体的には、SMRプロジェクトの開発リスクの低減、規模の経済の実現、民間投資の促進、許認可手続きの効率化やサプライチェーンの最適化などを可能にする、複数炉の導入モデルの形成を目指す。また、3カ国が連携してSMRプロジェクトを推進することで、インド太平洋地域のパートナー国に対し、増加する電力需要を満たすための競争力ある選択肢を提供するとともに、原子力安全、核セキュリティーおよび不拡散に関して世界で最高の水準を維持することが可能になるとした。
署名式典において、茂木外相は、「米韓両国とは、重要鉱物のサプライチェーン強靭(きょうじん)化や北朝鮮のサイバー脅威に対する枠組みなど、これまで具体的な取り組みを進めてきた。SMRに関する協力枠組みについても歓迎する」と述べた。
米国はこの枠組みを支援するため、国務省の「SMR技術の責任ある利用のための基盤インフラ(FIRST)
」プログラムに対し(注)、1,000万ドル超を追加で拠出するとも発表した。インド太平洋地域におけるSMRプロジェクトの開発支援や、原子力人材の育成を目的としたSMR地域トレーニングなどに活用される予定だ。
さらに、国務省は同日、産業界主導の新たな取り組みとして、GEベルノバ、日立製作所、韓国のサムソンC&T、およびポーランドのSGEの4社が、欧州におけるBWRX-300型SMRの導入拡大に向けて協力することで合意したと発表した。BWRX-300はGEベルノバと日立製作所の合弁会社である日立GEベルノバニュークリアエナジーが開発を進める次世代SMRだ。同省は産業界の主導により、3カ国間覚書の目標達成と官民連携強化、さらにはエネルギー安全保障の向上につながるとの期待を示している。
(注)同プログラムは、2021年にジョー・バイデン前大統領が主催した「気候変動リーダーズ・サミット」において導入されたプログラムで、SMRやその他先端原子炉技術の導入を検討するパートナー国に対する能力構築プログラム。2022年の第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議で発出された同プログラムに関する共同ステートメントには、日本政府も参加している。
(久峨喜美子)
(米国、日本、韓国)
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