アンソロピック、カナダのAI研究支援に1,000万カナダ・ドル相当のAIモデル利用権を提供

(カナダ、米国)

調査部米州課

2026年07月17日

米国の生成人工知能(AI)開発企業のアンソロピック(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は7月14日、カナダのAI研究機関や大学、医療機関など8機関に、総額約1,000万カナダ・ドル(約11億5,000万円、Cドル、1Cドル=約115円)相当の生成AIモデル「クロード(Claude、注1)」の利用クレジット(モデルを利用する権利)を提供すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。提供を通じて、AIの有益かつ責任ある活用に関する研究を支援する。

アンソロピックが利用クレジットの提供先として発表したのは次のとおり。

  • アルバータ・マシン・インテリジェンス研究所(Amii)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:学術研究と産業界におけるAI活用の橋渡しを進めるため、研究・エンジニアリングチームに100万Cドル相当のAPI(注2)クレジットを提供する。
  • ケベックAI研究所(Mila)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:ディープラーニング研究者が集まる研究機関として、責任あるAIや医療、ロボティクスなどの研究を支援するほか、研究者の研究成果・評価を支援するAIアシスタントの開発にも活用する。
  • ベクター研究所:APIクレジットの提供を通じて、AIの信頼性・安全性、医療・科学分野の研究を推進するほか、AIが解決に貢献できる幅広い社会課題に関する研究を推進する。
  • 東部オンタリオ小児病院(CHEO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますCHEO研究所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:子供や若者、その家族の健康状態や医療体験の向上を目的としたAI活用手法の開発・評価に利用されるほか、小児医療分野におけるAIの責任ある活用方法についての研究にも利用する。
  • ラバル大学知能・データ研究所(IID):大規模言語モデル(LLM)がさまざまな文化的背景の中でどのように振る舞うかの研究で活用する。また、ケベック・フランス語や先住民族言語など、研究資源の少ない言語や方言への理解促進にも活用する。
  • サスカチュワン大学外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:生物医学、食料・水資源安全保障、公衆衛生、量子コンピューティング、公共サービスなどの研究分野で活用する。
  • トロント大学データサイエンス研究所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:科学的な審査プロセスを通じて研究プロジェクトを選定し、APIクレジットの提供を通じて幅広い研究を支援する。

これに加えて、アンソロピックが提供するクロード・スタートアップ・プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに、Amii、Mila、ベクター研究所を追加し、これら3機関に関連するカナダのスタートアップ企業に、少なくとも5,000米ドル相当のAPIクレジットを提供する。

アンソロピックは発表で、カナダにおけるクロードの利用動向も公表した。これによれば、カナダは利用者数ランキングで世界8位だが、上位10カ国の中での人口当たりの利用率は米国に次ぐ水準となった。また国内では、クロードの利用方法が各地域の経済構造と一致していることも明らかとなった。カナダでは、英語とフランス語の両方が公用語として、連邦政府の提供するサービスで使用されていることから、公務員の割合が多いニューブランズウィック州、ノバスコシア州、ケベック州では翻訳関連の利用が多いとしている。

(注1)アンソロピックが開発した最先端の対話型の大規模言語モデル(LLM)。

(注2)アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略称で、異なるソフトウエアやプログラム、ウェブサービスをつなぐ仕組み。

(木村勇翔)

(カナダ、米国)

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