2025年のベトナム・スタートアップへの投資、ヘルスケア、AI、気候テックが伸長

(ベトナム)

ホーチミン発

2026年07月01日

ベトナム財政省傘下の国家イノベーションセンター(NIC)などは5月28日、2025年のベトナム・スタートアップ(SU)などへの投資動向などをまとめた「Vietnam innovation & Private Capital Report 2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(注1)。

同レポートによると、2025年の投資動向の主なポイントは次のとおり。

(1)2025年のベトナムSUに対するベンチャーキャピタル(VC)投資額(注2)は、前年比28%増の5億900万ドルとなり、過去最高を記録した2021年以来4年ぶりに増加に転じた(添付資料図1参照)。一方、投資件数は13%減の103件となり、2021年以来減少傾向が続いている。幅広いポートフォリオへの分散投資ではなく、特定の有望企業へ投資が集中する結果となった。

(2)投資額の規模別にみると、特に中規模案件(300万~1,000万ドル)は、過去3年で最大の件数および金額(16件、1億400万ドル)となったほか、大型案件(5,000万ドル超)も2件2億3,500万ドルとなり、金額ベースでは2022年以降で最高水準となった。さらに、投資ステージ別は、シリーズC以上の案件が前年比4件増の6件となり、2022年以降で最多となった。

(3)分野別では、ヘルスケアが首位で、前年比2.7倍の1億7,000万ドルとなった。また、4位の気候テック(Climate Tech)は、ベトナム政府による脱炭素化政策や規制強化を背景に、成熟した規模拡大が見込める事業への投資が拡大しており、前年比52%増の3,500万ドルと過去最高となった(添付資料表参照)。

(4)その他、分野横断的なテーマして、人工知能(AI)への投資は前年比1.6倍の1億3,000万ドルとなり、2023年比で約13倍の成長となった。投資件数も2023年の12件、2024年の13件から2025年は23件へと増加し、2023年比で約1.9倍に拡大した(添付資料図2参照)。また、ベトナム発のグローバル展開スタートアップ(注3)への投資が拡大しており、25年の投資額は過去最高の5,100万ドル(前年比1.8倍)となった。

(注1)同レポートは、従来2020年からNICが地場ベンチャーキャピタル(VC)のDo Venturesと共著で「Vietnam Innovation & Tech Report」として発表。2025年からは、NICとVietnam Private Capital Agency(VPCA)との共同、かつ米国ボストンコンサルティンググループ(BCG)の協力を得ての作成となり、レポートの名称もあらため、VCとプライベートエクイティー(PE)の両面からベトナムのプライベートキャピタルの概況を包括的に捉えたレポートになった。なお、VPCAは、Do Venturesをはじめとするベトナム・東南アジアの主要ファンドにより設立された団体で、Do Venturesのビー・レー創業者兼ゼネラルパートナーが会長を務める。

(注2)同レポートによると、投資総額は、テクノロジー企業における幅広い資金調達活動を反映。ベンチャーキャピタル以外の投資、例えばベンチャーデット、プロジェクトファイナンス、企業スピンオフなども含まれるが、デジタルトークンによる資金調達はこれらの数字には含まれていない。

(注3)同レポートによると、本定義は、ベトナムで設立され、グローバルに事業を展開しているスタートアップ企業を指す。創業当初から国際市場向けに構築された企業と、最近ベトナム国外に事業を拡⼤した企業の両⽅を含む。

(三木貴博)

(ベトナム)

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