中国、小売業のイノベーション発展加速に向けた意見を発表

(中国)

北京発

2026年07月15日

中国の商務部と国家発展改革委員会など9部門は7月9日、「小売業のイノベーション発展の加速に関する意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同意見では、小売業を内需拡大や消費振興、雇用の安定を支える重要分野と位置付け、2030年までに、配置の最適化、供給の高度化、業態の多様化などを通じて、スマートで利便性が高く、秩序ある競争環境を備えた現代的な小売り体系を構築する方針を示した。

同意見では、(1)小売りネットワークの最適化、(2)商品・サービスの質の向上、(3)新たな消費需要の創出、(4)デジタル化の推進、(5)公平な競争環境の整備、(6)土地利用や資金調達などの政策支援強化の6分野20項目の措置が盛り込まれた。

(1)では、都市部においては、商業エリアの機能を向上させるとともに、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど生活関連業態の不足を補い、「15分生活圏(住民が徒歩15分程度で日常生活に必要なサービスへアクセスできる生活圏)」の整備を進める。県域(注1)においては商業施設の改修を推進、農村部では消費活性化を図るとした。

(2)では、商品面で、調達管理やトレーサビリティーの強化、自社ブランドの育成を推進するとともに、模倣品や粗悪品の取り締まりを強化する。サービス面で、商品カスタマイズや宅配サービスなど付加価値サービスの充実を図り、高齢者や子育て世帯に配慮したサービスの提供を促す。また、オンラインでの「7日間無条件返品制度」の着実な運用や、実店舗での「7日間無条件返品制度」の導入を奨励するとした。

(3)では、老朽化した商店街や商業エリアの改修を進め、「一店一策」による特色ある店舗づくりを推進するほか、小売業と飲食、文化、娯楽、スポーツ、観光を融合させた「小売り+(プラス)」業態を育成し、免税店の増設や初出店・新製品発表イベントの開催を支援する。また、小売企業に対し、商品販売中心のビジネスモデルから総合的なサービス提供型への転換を促すとともに、クイックコマース(即時配送)やO2O(Online to Offline、注2)などの新たな販売モデルの開発を奨励する。さらに、大手小売事業者による自社チャネルの整備や提携、M&Aなどを活用した海外展開を支援するとした。

(4)では、小売事業者によるデジタル化投資を支援し、仕入れ・販売・在庫管理から物流配送までの全プロセスのデジタル化を推進するとともに、中小小売事業者への技術支援を強化するとした。また、スマート接客、ドローン配送、無人販売などの新たな利用シーンの拡大に加え、デジタル人民元を活用した消費促進策も盛り込まれた。

(注1)中国の行政区分は、省級、地級、県級、郷級の4つの階層で構成される。県域は、行政単位である県の管轄区域内の総称。

(注2)オンライン(ウェブサイトやアプリ)からオフライン(実店舗など)での購買行動に結び付けるマーケティング手法などを指す。

(張敏)

(中国)

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