米連邦航空局、ボーイングによる737MAX・787型機の耐空証明書発行の全面的再開を発表

(米国、インドネシア、エチオピア、アイルランド)

ニューヨーク発

2026年07月23日

米連邦航空局(FAA)は7月17日、航空機製造大手のボーイングが製造する「737MAX」と「787型機」について、ボーイングによる耐空証明書の発行を7月20日から全面的に再開すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

耐空証明書は航空機が安全に運航できることを示す書類で、通常はFAAが生産工程の最終段階で発行する。ただし、認定を受けた企業にはFAAに代わって耐空証明書を発行する権限が与えられている。ボーイングはかつてこの権限を有していたが、2018年のライオンエア(インドネシア)および2019年のエチオピア航空(2019年3月12日記事参照)で発生した墜落事故を受けて、FAAは2019年に737MAXについて耐空証明書発行権限を停止した。また、787型機についても、生産品質上の問題を理由に2022年から同様の措置が取られていた。

FAAは、今回の発表に至る約8カ月間、ボーイングの安全性および生産データの検証を行った。その結果、一貫した生産品質の維持を確認し、FAAの監督下でボーイングが耐空証明書を発行する体制は十分な信頼性を備えていると判断した。

FAAは2025年9月から、すでに一部の737MAXと787型機について、FAAとボーイングが交互に耐空証明書を発行する運用を開始していた。その結果、ボーイングとFAAが発行した耐空証明書において、生産品質に関する指摘事項に大きな差は認められなかったため、耐空証明書発行の責任をボーイングに戻すことを決めた。ただし、FAAは今後もボーイングの生産システムに対する検査、監査、監視を継続する。

737MAXは、最大席数172~230席の短~中距離路線向け(航続距離5,740~7,040キロメートル)小型ジェット機だ。従来機に比べて燃費や二酸化炭素排出量を約20%削減でき、航続距離の延伸や貨物積載能力の向上が可能となった。墜落事故を受けてFAAは2019年3月に運航停止命令を出したが、2020年11月に解除した(注)。

FAAのブライアン・ベッドフォード長官は声明で、「安全はFAAのあらゆる活動の基盤であり、今回の措置は安全に実施できると確信したからこそ可能になった」と述べた。FAAの検査官は引き続きボーイングの生産体制や品質管理を厳格に監督しつつ、製造工程のより早い段階で潜在的リスクを特定・是正する活動に重点を置くと説明した。これに対しボーイングは、「すべての耐空性証明要件に適合する、安全かつ高品質な民間航空機を製造するため、引き続きFAAの監督下で取り組んでいく」と述べた(「ロイター」7月17日)。

(注)運航停止期間中も737MAXの新規受注は継続していた。ボーイングの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、相次いだ墜落事故を受けて2019年の受注機数は年間47機まで落ち込んだが、2025年には591機まで回復した。なお、ボーイングは7月20日、三井住友銀行グループの航空機リース会社であるSMBCアビエーションキャピタル(本社:アイルランド)から同型100機を受注したこと外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表している。

(大原典子)

(米国、インドネシア、エチオピア、アイルランド)

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