ドイツ鉄道で通信システム障害、全国的に運行一時停止
(ドイツ)
ベルリン発
2026年07月10日
ドイツ鉄道(DB)が6月23日夜、全国的に列車の運行を一時停止した。公共放送ZDF(6月24日)などによると、その影響は、鉄道インフラを利用する他の鉄道事業者や貨物鉄道事業者にも及び、全国各地で遅延や運休が発生した。原因は、鉄道運行のための通信に用いられる鉄道専用無線システム「GSM-R」(Global System for Mobile Communications – Railway、)の障害であったが、システム障害は24日未明までに復旧した。
ドイツでは、DBのインフラ部門であるグループ会社DB InfraGOが線路や駅などの鉄道インフラを管理している。同社が管理する鉄道インフラは、DB以外の450社超の旅客・貨物鉄道事業者にも提供されており、これらの事業者は同インフラを利用して列車を運行している。またGSM‑Rが、列車運行に不可欠な通信システムであることから、障害の影響はDB以外の旅客・貨物鉄道事業者にも及んだ。
DB InfraGOのCEO(最高経営責任者)、フィリップ・ナーグル氏は、今回の障害について、中央コンポーネントの保守作業中に発生した不具合により、当該システムが正常に機能しなくなった可能性を示唆した。また不具合の直後にはバックアップ系統を通じた列車との通信も確立できなくなったという。こうした中、原因を巡っては、「フランクフルター・アルゲマイネ」紙をはじめとする複数の報道機関が、サイバー攻撃や破壊工作の可能性は低いという治安当局の見方を報じている(6月24日)。
鉄道貨物事業者の業界団体Güterbahnenは6月24日、今回の障害によって、夜間に走ることの多い貨物列車の運行に大きな影響が出ており、半数以上が依然として国内や国境地点で停止していると指摘。物流面への影響が数日続く可能性を示唆し、DBに対し詳細な説明を求めた。
パトリック・シュニーダー連邦交通相は今回の障害を問題視しており、ドイツ通信社(dpa)の取材に対し、徹底的な原因究明とDBに再発防止策の構築を求めると述べたと報じられている(「ツァイト」紙6月24日)。
(打越花子)
(ドイツ)
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