南ア、ラマポーザ大統領が内閣を改造

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2026年07月09日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は6月30日、国民統一政府(GNU)のパートナーである民主同盟(DA)との協議を経て、内閣改造を発表した。農業、森林・水産・環境、貿易・産業・競争、電力・エネルギー、高等教育、水・衛生、社会開発などDA出身者で占められている閣僚を中心に変更された。

農業相は、DA前党首のジョン・スティーンへイゼン氏の後任としてウィレム・アウカンプ森林・水産・環境相が任命され、スティーンへイゼン氏は貿易・産業・競争省(DTIC)の副大臣に転じた。また、西ケープ州政府で勤務していたデイビッド・メイニアー氏がアウカンプ氏の後任として森林・水産・環境相に任命された。与党比較第1党のアフリカ民族会議(ANC)からは、ディナ・プレ氏が社会開発相に任命された。プレ氏は、2011年から2013年までジェイコブ・ズマ前大統領の下で通信相を務め、現在はANC女性連盟の副事務総長を務めている。副大臣レベルでは、スティーンヘイゼン氏のほか、アレクサンドラ・アブラハムズ氏を電力・エネルギー副大臣に、ジャック・ブルーム氏を水・衛生副大臣、ユスフ・カシム氏を高等教育副大臣に充てた。

ANCは、今回の変更を大統領の権限の範囲内であると歓迎している。しかし野党のアクションSAは、特にディナ・プレ氏の任命と、過去に不正行為の疑惑が持ち上がっている複数の閣僚の留任を強く批判しており、今回の内閣改造は政府の業績向上や行政における説明責任の強化には不十分だと非難している。

今回の内閣改造は、DAの新党首ジョールディン・ヒル=ルイス氏が6月17日にラマポーザ大統領に対し、閣僚ポスト再編を要請したことが発端だ。これについてANCは、大統領の正式任命発表前に内閣改造要請を公表したDAに対し憲法軽視だと非難しているほか、不正疑惑の調査も要求している。こうした一連の流れに対して、現地アナリストは、「ラマポーザ大統領がヒル=ルイス氏の要求に応えたことは、人事に関して党首との協議を義務付けているGNUの意向表明が堅持されていることを示す一方、真の政治的連携ではなく、実利的で取引的な関係を示している」と指摘している。

(トラスト・ムブトゥンガイ、多崎央)

(南アフリカ共和国)

ビジネス短信 4428b13c762a10b9