CATL、ナトリウムイオン電池蓄電システムを発表、商業化に達し供給開始へ

(中国)

広州発

2026年07月03日

中国の車載電池大手である寧徳時代新能源科技(CATL)は6月22日、ドイツ・ミュンヘンで開催された「天恒2026グローバル発表会」で、世界初とされる大規模ナトリウムイオン電池(注1)蓄電ソリューションと、実証型蓄電システム(注2)「天恒ナトリウムイオン電池」を発表した。同社は、関連サプライチェーンが商業化レベルに到達したとし、まもなく大規模供給を開始すると明らかにした。

今後のスケジュールについて、中国市場では2026年9月に初回納入を開始し、同年末までに累計1ギガワット時(GWh)規模の出荷を目指すとした。グローバル市場では、2027年6月に納入を開始する予定としている。

同社によると、「天恒ナトリウムイオン電池」は性能面で複数の特徴を有する。25度の環境下では約1万5,000サイクルの充放電が可能で、長寿命を実現。また、低温環境(マイナス20度)でも容量の92%以上を保ち、高温環境(45度)においても1万サイクル以上の充放電が可能であるなど、幅広い温度条件下でも安定した性能を発揮できる。安全性の面では、従来のリン酸鉄リチウム(LFP)電池と比較して、材料の膨張力を約40%低減し、ガス発生量も約35%抑制するなどの特徴がある。さらに、システムの補助電力消費率は、リチウム電池業界平均の約2%に対し、約1%に抑えられているほか、稼働時の騒音も約65デシベルに抑え、都市部や住宅地周辺などの騒音に敏感な環境への導入も可能としている。システム設計面では、単一設備あたり最大で30メガワット時(MWh)以上の容量を持つ。完全にモジュール化された設計により、1GWh規模の蓄電所でもわずか34セットの設備で構築可能なため、導入・設置の簡素化につながるとしている。

(注1)ナトリウムイオン電池は、希少なリチウムの代わりに地球上に豊富に存在するナトリウムを使用する。安全性が高く耐久性に優れ、寒冷地での動作の低下が少ないが、リチウムイオン電池と比較するとエネルギー密度が低い特徴を有する。

(注2)実証型蓄電システムとは、単一の性能指標による評価ではなく、実際の運用環境や、電力系統、運転条件に近い条件下で、大規模蓄電所としての運用を想定した総合的な検証を経た蓄電システムを指す。CATLは約30億元(約690億円、1元=約23円)を投じて、福建省アモイ市に実証研究機関を設立しており、同機関はテュフ・ズードやテュフ・ラインランドといったドイツの第三者認証機関と連携し、1回の試験で複数の認証を取得できる体制を整えている。

(黄子珊)

(中国)

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