香川県、GX転換を加速させる坂出市番の州地区を海外企業向けピッチイベントでPR
(日本)
香川発
2026年07月13日
香川県は6月26日、GX(グリーントランスフォーメーション)戦略地域制度(注1)の一環として経済産業省が開催した自治体ピッチイベント「Invest -1」に参加し、海外企業関係者向けに同県のGX戦略の中心地である坂出市番の州地区の取り組みを紹介した。
GX転換を加速させる同地区は瀬戸内海に面し、瀬戸大橋が架かる陸海交通の結節点として、造船・化学などの大規模工場が集積する国内有数の産業拠点である。既存のエネルギー供給網や港湾機能が一体的に整っており、これらを基盤とした脱炭素型産業への円滑な移行と投資コストの抑制が期待される。また、産業間の連携が促進され、中長期的な視点に立った実証実験の場としての機能も見込まれる。
GX戦略の中核を担うのが、水素を中心としたエネルギーシステムの構築だ。坂出市は、2024年2月に「坂出市番の州コンビナート水素等利活用推進協議会」を設立し、同協議会において、水素の地産地消、LNGを原料としたターコイズ水素(注2)の製造およびその副生成物である固体炭素の利活用などによる資源循環モデルの検討を公民共同で進めている。また、坂出港の機能を活かした海外からの水素調達や他港との連携による供給網の構築など、国内外を結ぶ水素サプライチェーンの形成も視野に入れる。あわせて、液化水素運搬船の建造プロジェクトといった先進的な取り組みも進行している。
もう1つの柱は、GXとAX〔人工知能(AI)トランスフォーメーション〕の融合である。GPUデータセンターの整備やAIを活用した素材開発、電力と通信インフラの最適化によるワットビット連携などを通じ、半導体などの次世代素材分野の高度化を図る。香川県によるエヌビディア合同会社との連携協定締結(2026年2月)や産業AI参与の東京大学大学院松尾豊教授との連携(注3)もAI技術の導入や関連分野への投資誘致の一層の促進につながると期待されている。
また、立地面では、高松港の国際コンテナ航路や、東アジア各都市をはじめ国際線運航便数が中四国最大規模を誇る高松空港により、アジア市場との接続性を確保している点も強みだ。
香川県の発表の様子(ジェトロ撮影)
参加者からは、番の州地区で進む実証事業への海外スタートアップの参画可能性や、ターコイズ水素製造の協業先の状況などについて質問が寄せられるなど、同地区における具体的な取り組みや将来展望に対する関心の高さがうかがわれた。こうした期待を受け、香川県商工労働部企業立地推進課の和田佳也課長補佐は、「瀬戸内海の美しさと産業の活気が共存するこの番の州が、世界をリードするGX産業の拠点となるよう、引き続き、GX戦略地域の正式認定に向けて、しっかりと取り組みたい」と述べた。従来の工業地帯が脱炭素時代の中核拠点へと進化できるか、今後の展開が注目される。
(注1)経済産業省は、GX2040ビジョンに基づき、2025年8月、GX産業立地政策の具体的措置として「GX戦略地域制度」を創設した。香川県は同制度のコンビナート等再生型とデータセンター集積型の双方において有望地域として選定された。有望地域のうち事業計画の熟度が十分と判断された地域は、夏ごろをめどにGX戦略地域として認定される予定。
(注2)天然ガス(メタン)を熱分解し、二酸化炭素排出を抑えて製造する低炭素水素。
(注3)2023年11月に香川県の産業AI参与に就任。県内でAI事業などに取り組む誘致企業に対して、教授とつながりのあるAI企業とのマッチング機会の提供や専門的見地からのアドバイス、講演などを通じて、本県のAI産業の発展と県外企業の立地を後押しする。
(宮下葉月)
(日本)
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