モロッコと韓国、包括的経済連携協定に向け作業部会設置で合意

(モロッコ、韓国)

ラバト発

2026年07月07日

モロッコのオマル・ヘジラ対外貿易担当国務長官と韓国の金正官(キム・ジョングァン)産業通商部長官は6月11日、オンライン会談を行い、両国間の新たな包括的経済連携協定(CEPA)の締結に向けた協議を進めることで合意した。両者は、協定交渉開始に向けた予備的な協議を継続・深化するための作業部会を設置することで合意し、その設立に関する共同宣言に署名した。

金長官は、今回の合意について「両国関係における重要な節目」と位置付けた上で、将来的な協定は貿易と投資の大幅な拡大をもたらし、両国関係を包括的な経済同盟の水準へ引き上げるとの期待を示した。

また金長官は、協定の制度的枠組みが電気自動車(EV)、バッテリー、造船、防衛産業などの高付加価値分野における国境を越えた投資の加速と多様化に寄与すると説明した。さらに、モビリティーや先進的なバッテリーサプライチェーン分野での協力強化に加え、造船、再生可能エネルギー、航空宇宙、防衛技術分野における新たな戦略的パートナーシップの可能性にも言及した。

これに対しヘジラ国務長官は、モロッコ政府が同協定に向けた協議の開始を重視していると表明した。その上で、協定は両国の利益を保護する戦略的な観点を反映したものとする必要があると指摘し、「両国の経済関係の新たな章を開き、企業にとって現代的で均衡の取れた相互利益型の枠組みを創出する戦略的な一歩となる」と述べた。またモロッコは建設的かつ現実的な姿勢で交渉に臨む用意があるとしつつ、同国の経済・産業発展上の優先課題に配慮する必要があるとの考えを示した。

併せて、6月12日にはラバトで、モロッコのカリム・ジダン投資・公共政策統合・評価担当特命相が韓国産業通商資源部の呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長と会談し、両国間の経済・投資協力の強化について協議した。

会談では、両国間で発効している投資促進・保護協定をはじめとする法的・制度的枠組みを確認するとともに、モロッコの投資環境や、新投資憲章に基づく生産性向上と付加価値創出型投資への支援措置について意見交換を行った。

また両者は、韓国企業のモロッコ進出拡大の可能性について協議し、再生可能エネルギー、グリーン水素、インフラ、人工知能(AI)を戦略分野として挙げた。双方は、これらの分野を含む相互に関心の高い分野での協力をさらに深化させる方針を確認した。

(鈴木優香)

(モロッコ、韓国)

ビジネス短信 3ac17ab696bda531