チリ、上半期輸出額が初めて600億ドルを突破、銅・リチウム輸出が牽引

(チリ)

サンティアゴ発

2026年07月14日

チリ外務省の国際経済関係次官官房(SUBREI)は7月8日、2026年上半期(1~6月)の輸出額(通関ベース)が603億5,400万ドルとなり、前年同期比14.2%増加したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。半期ベースで初めて600億ドルを突破し、過去最高を更新した。往復貿易額も1,064億9,800万ドル(9.6%増)となり、上半期として過去最大規模となった。

輸出拡大を牽引したのは鉱業部門で、輸出額は368億8,800万ドル(前年同期比20.4%増)と輸出総額の61.1%を占めた。特に銅輸出額は302億3,600万ドル(11.5%増)となり、初めて300億ドルを突破した。銅は輸出総額の50.1%を占める最大輸出品目である。

背景には銅価格の高騰がある。2026年上半期の国際価格の平均は1ポンド当たり5.94ドルと前年同期比38.8%上昇し、6月の月平均価格は1ポンド当たり6.16ドルと過去最高を記録した。SUBREIによると、米国の関税措置を巡る動向や低在庫に加え、鉱石品位の低下や設備保守などによるチリの銅生産減少が価格上昇の背景にある。

リチウム輸出は32億1,800万ドルと前年同期比約3倍となった。送電網やエネルギー貯蔵、電子産業、人工知能(AI)関連技術、データセンター向け需要の拡大が追い風となり、2026年上半期だけで2025年通年の実績を上回った。

非鉱業部門も234億6,600万ドル(前年同期比5.6%増)と堅調だった。食品は71億2,100万ドル(4.2%増)と過去最高を記録し、サーモン・マス製品や冷凍果実、ヘーゼルナッツなどが伸長した。機械・設備輸出も17.6%増加した。一方、ワイン輸出は8.9%減、林産加工品輸出は12.0%減となった。

輸出先では中国(シェア33.9%)、米国(16.7%)、日本(8.3%)が主要市場を維持した。一方、インド向け輸出は28億7,100万ドルで前年同期比2.1倍となり、最も高い伸びを示した。インド向けには銅、金、ヨウ素、リチウム製品、食品などの輸出拡大が寄与した。

また、サービス輸出は18億4,300万ドル(前年同期比17.2%増)と過去最高を更新した。航空機整備、ウェブホスティング、IT関連サービスなどが成長を支えた。

中央銀行統計によると、上半期の貿易黒字は172億9,000万ドルと前年同期比49%増となり、上半期では統計開始以来で最大の黒字を記録した。他方、投資動向の先行きを見極める上で注目される指標である資本財輸入は6月に前年同月比9.5%減と2カ月連続で減少した。

(高橋英行)

(チリ)

ビジネス短信 31d669684ca9dc59