香港サイエンスパーク、AI普及と人材育成のための「AI for All」プログラムを始動

(香港、中国)

香港発

2026年07月30日

香港サイエンスパーク(HKSTP)は7月14日、「サマータレントフェスト2026」を開催し、AI(人工知能)普及と人材育成を目的とする「AI for All」包摂プログラムを正式に立ち上げた。本プログラムは、プロフェッショナルとしての能力向上に焦点を置き、特に大学生、若手専門人材、イノベーターを主な対象としている。専門講座、実務応用コンテスト、実務研修、就職フェアなど、包括的な活動を通じて、AIに関する知識を実践的なスキルおよび就職につながる能力の向上に役立てることを目指す。

HKSTPは、サイエンスパーク内の企業、高等教育機関、I&T(イノベーション・アンド・テクノロジー)エコシステム(注)全体のステークホルダーを結集し、「育成」「産業実践」「社会実装」の3つの戦略的フェーズを通じてAI人材の育成を強化する。育成段階では5,000件超の研修機会を提供し、産業実践段階ではロボコン香港大会や香港テッカソンプラス(Techathon+)、見習い制度などを通じて実践力を養成する。社会実装段階では就職博覧会や人材マッチング事業を通じて、雇用や起業の機会につなげる。併せて、これら3つのフェーズを統合することで、学習と雇用、理論と実践を結びつける包括的なAI人材育成パスを確立することを目指すとした。

人材育成施策の一環として、HKSTPは以前から香港内外の学部生、大学院生、新卒者を対象にさまざまなインターンシッププログラムを提供している。2026年は1万件以上の応募者から500人以上の学生が選抜された。その中には、清華大学、スタンフォード大学(米国)、シンガポール国立大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンなど名だたる大学の学生も含まれている。インターン生は、サイエンスパーク内のスタートアップやテクノロジー企業において、研究、開発、応用に焦点を当てたプロジェクトに参加し、AI、ロボティクス、ライフ&ヘルステクノロジー、フィンテック、スマートシティーといった最先端分野で実務経験を積む。

鍾郝儀(コーデリア・チュン)HKSTP会長は、この取り組みは中国の第15次5カ年(2026~2030年)規画および「AI+」イニシアチブ(2026年4月3日記事参照)に沿うとともに、AIの普及と理解促進という香港政府の施策方針を積極的に支援するものであるとした。その上で、人材と業界の接点を設け、キャリアアップや起業への道筋を提供し、学術研究と実務間のギャップを埋めることを目指していると述べた。

(注)特定の技術やプラットフォームを中心に、企業、開発者、ユーザー、パートナー、関連技術などが相互に作用し、全体として価値を生み出す仕組みのこと。

(越川剛)

(香港、中国)

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