米ウォルマート、夏季商戦へ向け牛肉など数千品目を値下げ
(米国)
ニューヨーク発
2026年07月09日
米国小売り最大手のウォルマートは7月6日、夏季商戦に向けた大規模な価格戦略を発表
した。インフレにより価格が高止まりしていた生活必需品など数千品目で、期間限定の大幅な値下げキャンペーン(ロールバック、注1)を実施する。消費者の夏季における節約需要に対応する。
同社によると、新たな価格設定はウォルマートおよび同社傘下にある会員制大型スーパーチェーン「サムズクラブ」の各店舗に加え、双方のオンラインストアやアプリを通じて提供される。対象には一般的な食料品や生活雑貨のほか、アウトドア用グリルやプールといった夏の定番商品も含まれる。中でも、干ばつや飼料高騰による飼育頭数削減で価格が高騰していた牛ひき肉は、消費者の関心が高い品目の1つとなっていたが、約12%の値下げに踏み切る。
ドナルド・トランプ大統領は同日、ウォルマートの値下げ措置を称賛するとともに、自身が設立したSNSトゥルースソーシャルへの投稿で「米小売り最大手であり、最も優良かつ賢明な企業の1社であるウォルマートから、わが国の建国250周年を記念した現政権の要請に応じ、大幅な値下げに踏み切るとの報告を受けた」とし、自身の要請により値下げが実現したとの認識を示した。一方でウォルマート側は、トランプ氏のSNS投稿に対するコメントを拒否。同社の値下げ発表において大統領に関する記載はなく、政権との因果関係は示されていない。
業界大手のターゲットやスーパーマーケット大手のクローガーなども、すでに独自の割引プロモーションの強化や低価格路線の拡充に乗り出すなど、顧客の節約志向に応える戦略を強化している。
米国内では、高騰する生活コストへの危機意識を示す調査結果も出ている。英紙ガーディアン向けに世論調査会社ハリス・ポールが米国民に対して実施した調査(注2)によると、回答者の約5割が食料品やガソリンといった生活必需品の支出に苦しんでいると回答した。また、生活費負担が危機的状況にあると考える割合は95%に達した。同調査によると、安定した雇用環境や史上最高値を更新する株価の一方で、景気悪化を訴える割合は57%に上り、中東情勢緊迫化によるガソリン価格高騰前の2026年2月(46%)から悪化した。他方で、景気が改善したとの見方は16%(2月:28%)に低下し、家計の先行き不安を訴える声が強まっている。
(注1)「ロールバック(Rollback)」はウォルマート独自の販促施策の名称で、対象商品の価格を一定期間引き下げるキャンペーン。
(注2)2026年5月28日から6月6日にかけて、米国の成人4,100人を対象にオンラインで実施。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 2a13333598247195





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