中国のCATL、オランダのAlfenとナトリウムイオン蓄電分野で協力、欧州展開を加速へ
(中国、オランダ)
広州発
2026年07月28日
中国の大手電池メーカーの寧徳時代新能源科技(CATL)は7月16日、オランダのエネルギーインフラ企業のAlfen N.V.(注1)(以下、Alfen)との間でナトリウムイオン蓄電システム展開に向け協力することで合意したと発表した。CATLの発表によると、両社は2027年から、オランダをはじめとする西欧諸国で、CATLの合計5ギガワット時(GWh)の「天恒ナトリウムイオン蓄電システム」を導入する計画だ。
同システムは、CATLが6月22日にドイツ・ミュンヘンで発表したシステムだ(2026年7月3日記事参照)。同社によると、同システムは25年の長寿命を特徴とし、システム全体の往復効率(RTE)(注2)を約2%向上させることでライフサイクルコストの低減を実現する。また、リチウムイオン電池の一種であるリン酸鉄リチウム(LFP)電池を用いた蓄電システムとの互換性を備え、利用企業は用途や市場環境に応じて電池材料を柔軟に選択できることから、リチウム価格の変動による影響の抑制にもつながるとしている。
両社はこれまで、リチウムイオン電池を活用した蓄電事業で協力関係を構築してきた。2023年に長期的な電池供給パートナーシップを開始するなど、これまでリチウムイオン電池を活用した蓄電事業で協力関係を構築してきたが、今回の合意により、協力分野はリチウムイオン電池からナトリウムイオン電池へと広がることになる。Alfenは今回の新たな協力に関する発表において、電池材料の選択肢を多様化し、蓄電製品のコスト構造を最適化するとともに、リチウム価格変動への耐性を高めることで、欧州の中・大規模プロジェクトにおける競争力向上につなげるとしている。
また、CATLは、ナトリウムイオン電池の欧州電力網での運用実績を蓄積し、欧州の電力網基準への適合を進めることで、同技術の欧州展開を加速させる考えだ。中国の業界メディア「盖世汽車(Gasgoo)」は、今回の協力について、同システムの欧州市場展開を加速させる取り組み、と報じている(「盖世汽車」7月16日)。
なお、CATLは7月21日、ブルガリアの再生エネルギー企業Solarproと総容量2GWhのナトリウムイオン蓄電システム導入で合意したと発表した。CATLによると、両社は2026年末までに、中・東欧で初となる大規模ナトリウムイオン蓄電プロジェクトを開始する計画だ。
(注1)オランダのエネルギーインフラ企業。スマートグリッドや蓄電システム、電気自動車用充電設備の設計・開発・製造などを手掛ける。
(注2)往復効率(RTE、Round-Trip Efficiencyの略)とは、蓄電システムに充電したエネルギー量に対する放電可能なエネルギー量の割合を示す指標。
(西村京子)
(中国、オランダ)
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