山東省、企業の海外展開が加速、2025年の対外直接投資は全国3位に
(中国)
青島発
2026年06月05日
中国の山東省商務庁は5月28日、同省の外事弁公室や発展改革委員会などと共同で記者会見を行い、同省企業の海外展開状況および政府による支援措置を発表した。
会見では、中国の中央政府(国務院)は産業・サプライチェーンの海外展開を重要な戦略と位置付けており、第15次5カ年規画要綱にも盛り込まれているとした。こうした方針の下、近年、山東省は産業・サプライチェーンの国際展開を積極的に推進し、顕著な成果を上げていると説明した。会見での説明によると、同省の2025年の対外直接投資額は117億2,000万ドルで全国第3位となった。2025年末時点では、同省の1,700社以上の企業が世界150以上の国・地域に約3,000の現地法人や事務所などを設立しており、こうした動きは産業・サプライチェーンの国際的な協力の深化を推進する上で重要な役割を果たしているとした。
具体的な取り組みとして、家電、タイヤ、繊維など優位性のある産業のグローバル展開の加速を挙げた。同省の対外投資額に占める製造業と鉱業の構成比は、それぞれ33.4%、16.7%となっており、これらの分野の企業はオーストラリア、ハンガリー、インドネシア、タイ、ベトナムなどに展開していると紹介した。ハイアールやハイセンスなどの大手企業は、海外で研究開発・生産・販売の一体化を実現しており、サイルン(賽輪)、リンロン(玲瓏)などのタイヤ企業は、東南アジアや欧州市場で事業を拡大している。また、山東能源や魏橋集団などは海外鉱物資源の共同開発に深く参画しているとした。
また、同省はパキスタン、カンボジア、インドネシアなど11カ国に16カ所の「海外経済貿易協力区」(注)を整備し、産業・サプライチェーンの川上から川下までの一貫した発展を後押ししているとした。2025年末時点で、これら協力区における総生産額は500億ドルを超えたと説明した。
さらに、貿易と投資の相互促進を進め、対外投資のビジネスチェーン、産業チェーン、サプライチェーンなどの連動を強化している。ゴムタイヤやスマート家電など7つの重点産業チェーンを整理し、関連企業350社以上のリストを作成することで、国内外の産業・サプライチェーンの一体化を推進しているとした。
また会見では、中小企業が海外展開の主力となっていることについて、同省は中小企業の海外市場開拓を支援するため、特色ある産業クラスターによる共同海外展開を推進していると説明した。全省171の中小企業特色産業クラスターに焦点を当て、特に工作機械、汎用(はんよう)機械、農業機械、繊維・アパレルなどの優位性を持つ産業クラスターの海外市場開拓を優先的に支援する方針を示した。
(注)企業の海外進出を集中的に支援することを目的として設けられた産業団地などを指す。
(董玥涵)
(中国)
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