米炭素除去のグラファイト、住友商事と合弁設立、日本郵船とはクレジット売却契約

(米国)

ヒューストン発

2026年06月11日

米国アーカンソー州で炭素除去プロジェクトを展開するスタートアップのグラファイト(Graphyte)は6月3日、住友商事との合弁事業の設立を発表した。また、日本郵船(NYK)との炭素除去クレジット売却契約も発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社の「ロブロリー(Loblolly、注1)」プロジェクトでは、農林業や木材加工で発生するバイオマス残渣(ざんさ)を加工・圧縮・密封して地下に貯留することで、炭素を1,000年以上の長期間にわたり固定できる。2024年から商業稼働しており、1万5,000トン以上のカーボンクレジット(注2)を発行済みで、今後は年間5万トン規模への拡張が進められている。

住友商事は、グラファイトと米国において合弁会社を設立し、炭素除去(Carbon Dioxide Removal、CDR)クレジットの創出および販売事業に参入する。出資比率はグラファイトが51%、住友商事が49%。CDRクレジット市場では需要拡大に対し供給が不足しており、住友商事は今回の参画を通じて、供給側の事業基盤を確立する狙い。合弁事業を通じて、北米で複数のプロジェクトの開発も視野に入れる。

日本郵船は、グラファイトが同プロジェクトで創出するCDRクレジットを購入する契約を締結した。日本郵船は、エネルギー効率の最大化や次世代燃料への転換を最優先に、温室効果ガス(GHG)の排出削減を進める一方で、海運業界においては技術的・経済的な制約によりGHGの排出を避けられない部分がある。これに対し、CDRを活用することで、2050年のGHG排出量ネット・ゼロの実現を目指すとしている。

(注1)米国南東部(特にアーカンソー州)で広く植林されている、商業用の主要バイオマス「ロブロリー松」にちなんだ名前。

(注2)大気中から二酸化炭素(CO2)を除去し、長期的に固定した環境価値を、1トン=1クレジットとして認証する。脱炭素目標達成のための「排出量相殺(カーボンオフセット)」手段として注目されている。

(平島伸浩、キリアン知佳)

(米国)

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