オーストラリアの最低賃金引き上げ、7月から時給26.44豪ドル

(オーストラリア)

シドニー発

2026年06月08日

オーストラリア公正労働委員会(FWC)は6月2日、新年度が始まる7月1日から最低賃金の引き上げ実施を発表した。これにより、最低賃金は時給ベースで26.44オーストラリア・ドル(約3,015円、豪ドル、1豪ドル=約114円)と現行の24.95豪ドルから引き上げ、週給ベースで948豪ドルから1,004.9豪ドルに引き上げられる。オーストラリアでは、会計年度ごとに、年次賃金の見直しを実施することが義務付けられている。今回の見直しにより、労働裁定(Modern Awards)(注)に基づく最低賃金は4.75%引き上げられる。適用対象となる労働者は約280万人で、オーストラリアの全従業員の約21.1%にあたる。また、労働裁定で職業ごとに定められた賃金に準拠する労働者は60%以上が女性、70%以上がパートタイム労働者、50%以上が臨時従業員となっている。

オーストラリアでは、雇用者が従業員給与の最低12%を拠出する退職積立年金制度(Superannuation)が導入されている。従来、当該制度分は、四半期ごとの納付とされていたが、今回の賃金引き上げが適用される7月1日からは、従業員の給与支払日と同日に納付(Payday Super)することが義務付けられた。

ジェトロが2025年8~9月に実施した「2025年度進出日系企業実態調査~アジア・オセアニア編」によると、オーストラリアにおける投資環境上のリスクとして、回答企業の9割以上が「人件費の高騰」を挙げた。また、「従業員の離職率」、「人材採用の難しさ」も課題として挙げられており、日系企業にとっては、安定的な人材確保と人件費負担がさらに大きくなることが予想される。

(注)FWCが、特定の業界や職種ごとに賃金や労働時間、各種手当などの最低労働条件を規定した法的拘束力のある制度。

(伊東佐和子)

(オーストラリア)

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