モンテレイでイノベーション促進イベント「InnovaFest」、国内ユニコーン3社がメキシコ市場の魅力を議論
(メキシコ)
メキシコ発
2026年06月08日
メキシコ経済省は5月29日、ヌエボレオン州モンテレイ市において、イノベーションと起業家精神の促進を目的としたイベント「InnovaFest Monterrey 2026」を開催した。官民や大学、スタートアップ、学生など、イノベーション・エコシステムを形成する関係者が一堂に会した。
開会にあたりヌエボレオン州のサムエル・ガルシア知事は、同イベントを「社会全体に利益をもたらすために、ネットワーク、テクノロジー、人工知能(AI)の活用について考える場」と位置づけた。また、経済省の「InnovaFest」コーディネーターであるセシリア・バニュエロス氏は、開催地ヌエボレオン州を「イノベーションを文化として根付かせた州」と評し、ビジネスとイノベーションの推進力として同州の重要性を強調した。
イベントでは、メキシコを代表するユニコーン企業である、カバック(Kavak、中古車売買プラットフォーム)、ストリ(Stori、金融包摂を推進するデジタル金融サービス)、ビッツォ(Bitso、暗号資産プラットフォーム)の3社経営陣によるパネルディスカッションも行われた。3社は、ビジネス展開の拠点としてメキシコのエコシステムが急速に発展している背景や、同国を選択したメリットについて、主に次の2点を挙げた。
- 圧倒的な市場規模の優位性:メキシコ市場は他の中南米諸国と比較して圧倒的に規模が大きく、スタートアップが事業を急拡大させる上で極めて有利な環境であること。
- 社会課題というビジネス機会:伝統的な金融サービスへのアクセス欠如(金融包摂の遅れ)や、中古車取引における不透明性と安全性のリスクなど、いまだテクノロジーやイノベーションによって解決すべき構造的課題が多く残されていること。
各社は、これらのメキシコ特有の課題を、イノベーションによって解決すること自体が、同国におけるスタートアップの強力な成長原動力になっていると強調した。
ユニコーン3社によるパネルディスカッション(ジェトロ撮影)
「メキシコ・イノベーション賞」を初授与
さらに、初開催となる「メキシコ・イノベーション賞(Premio a la Innovación Mexicana)」の授賞式も行われた。2,911の応募プロジェクトの中から、医療、バイオテクノロジー、AI、クリーンエネルギー、サーキュラーエコノミーなどの分野で社会課題解決に貢献する計24のプロジェクトが選出された。受賞者には、ステージに応じて最大25万ペソ(約232万円、1ペソ=約9.3円)の賞金や育成プログラムが授与された。授賞式に出席したマルセロ・エブラル経済相は「国家の富を増やす唯一の道は、国内のイノベーションを加速させることだ」と述べ、起業家への継続的な支援を約束した。
授賞式の様子(ジェトロ撮影)
「InnovaFest」は2026年中に計5都市(今回開催のモンテレイに加えて、ケレタロ、グアダラハラ、メリダ、クエルナバカ)において開催の予定だ。次回は、自動車や航空宇宙、製造業の集積地であるケレタロで、2026年8月21日に開催される。
(深澤竜太、ネイサ・クリオージョ)
(メキシコ)
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