鉱物資源法実施条例が施行、戦略的鉱物資源の備蓄やリストの策定について規定

(中国)

調査部中国北アジア課

2026年06月24日

中国国務院は5月15日、「鉱物資源法実施条例外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(国務院令第839号、以下条例)を発表、6月15日より施行した。同条例は2025年7月1日に改正版が施行された「鉱物資源法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に基づき、鉱物資源の探査・採掘や鉱区の環境修復、備蓄や緊急時の対応などについて詳細を規定したものとなる(注1)。

具体的には、鉱物資源法で国務院が定め調整するとされた「戦略的鉱物資源リスト」について、条例では、国務院天然資源主管部門が関連部門とともに検討、策定し、国務院の批准を経て実施するとした。リストの策定にあたっては国民経済社会の発展および国家安全に対する重要度や国内資源の賦存状況、欠乏度、対外依存度、関連産業、サプライチェーンのレジリエンスや安全のレベルなどを総合的に考慮し、関連鉱物資源に対する評価を行うと規定した。戦略的鉱物資源に定められた特定の資源に対しては、法律法規や関連規定に基づいて規画に基づく管理や総量のコントロール、採掘主体の制限などの措置を取るとした。

また、戦略的鉱物資源の備蓄については、政府が主導して生産物、生産能力、生産地の備蓄から成る備蓄体系を整備し、規模や配置を適宜調整するとしたほか、県レベル以上の政府は必要に応じて戦略的鉱物資源の備蓄を国民経済社会発展規画などに組み込むべきとした(注2)。さらに、国家発展改革委員会などの各部門は鉱物資源の供給の安全に関する予測・アラートシステムを整備し、データの共有・利用を強化し、鉱物資源の需給の変化、価格の変動、安全リスクの状況などについて総合的にモニタリングや分析・評価を行い、迅速に予測・アラートを行うよう定めた。

鉱物資源の海外投資・貿易促進や域外国・地域への対抗措置規定も盛り込む

このほか、サプライチェーンの安全や安定の観点から、さまざまな方法を通じた鉱物資源分野における海外投資や貿易、技術協力を積極的に促進するとしたほか、海外の鉱物資源の開発・利用にあたっては、中国の法律法規や当該国・地域の法律を順守するほか、現地の文化伝統や生態環境保護、安全な生産に留意するよう規定した。なお、域外国・地域や国際機関が差別的な禁止・制限措置を実施あるいは実施に協力することにより、中国の鉱物資源や関連産業・サプライチェーンの安全を損なう場合、国務院関連部門は状況を踏まえて必要な対抗措置を取ることができるとする規定も盛り込まれた。

(注1)鉱物資源法によると、鉱物資源とは地質の作用によって形成され、利用価値があり、固体・液体・気体などの形態で存在する天然資源を指すものとされており、鉱物資源のリストは国務院が定め調整するものとされている。

(注2)李強首相は5月25~27日、浙江省舟山市、寧波市を視察した。舟山市では国家石油備蓄基地を、寧波市では商業石油備蓄プロジェクトサイトを視察し、石油などの備蓄やプロジェクト運営状況について報告を受けた。李首相は、外部環境の変化によるチャレンジに直面している中で、重要物資の備蓄を強化することは経済社会の安定にとって重要な意義を持つと指摘した。その上で、備蓄構造の最適化、多種類の備蓄施設の建設、備蓄容量の拡大、備蓄・管理技術の革新、戦略的備蓄と商業備蓄の共同運用促進、備蓄・管理・配分機能の強化などの必要性に言及した(「新華社」5月27日)。

(小宮昇平)

(中国)

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