英国・ウクライナ・テックフォーラム、官民連携の強化などについて議論

(英国、ウクライナ)

ロンドン発

2026年06月24日

「英国・ウクライナ・テックフォーラム」が610日、ロンドン証券取引所で開催された。ウクライナと英国の政府関係者に加え、スタートアップ、投資家などが参加し、両国のテック分野での連携強化や投資機会について議論した。

英国ビジネス・通商省のリアノン・ケンプソン・ウクライナ復興担当副部長は、「ウクライナは防衛テックのみならず、民間分野でも高度なイノベーション能力を有している」と説明した。また、6月上旬に派遣された、ウクライナの防衛技術イノベーションプラットフォーム「Brave1」による英国投資ミッションに言及したほか、今後キーウに新設される英国防衛ビジネスセンターが、ウクライナ軍への支援強化において、英国企業支援の重要な拠点になると期待を示した。さらに、英国政府がウクライナのデジタル変革省やユーラシア財団と連携して取り組む「UKディジット(Digitalisation for Growth, Integrity and TransparencyDigit)」プログラムについても紹介した(注1)。

写真 英国ビジネス・通商省のケンプソン副部長(ジェトロ撮影)

英国ビジネス・通商省のケンプソン副部長(ジェトロ撮影)

230社以上が集まるウクライナの企業連合「ディーア・シティー・ユナイテッド(Diia City United)」の同代表を務めるナタリア・ミコルスカ氏は、「ウクライナのテック産業は成長を続けており、直近2年間で3社のユニコーン企業(設立から10年以内で10億ドル以上の評価額を付けられた未上場企業)が誕生した(注2)」と述べた。また、同国の大手通信会社のキーウスター(Kyivstar)が20258月にナスダックに上場した事例を紹介した。

写真 ディーア・シティー・ユナイテッドのミコルスカ代表(ジェトロ撮影)

ディーア・シティー・ユナイテッドのミコルスカ代表(ジェトロ撮影)

ミコルスカ氏は「英国には25,500社のウクライナ人所有企業があり、英国に移住したウクライナ人が両国とビジネスを結び付ける重要な役割を果たしている」と指摘。また、「われわれはウクライナのテックエコシステムに関心を持つ、全ての人のためのワンストップ窓口となる」と述べた。

ウクライナのデジタル変革省のナタリア・デニケイエワ次官は、「英国は最も重要な技術的パートナーの1つ」だと強調。さらに、「英・ウクライナ・テックブリッジ(UK-Ukraine Tech Bridge外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどの取り組みを通じ、両国間の企業、投資家、人材、アイデアを結び付ける実践的な橋渡しが進んでいる」と評価した。「防衛、サイバーレジリエンス、ガブテック(行政サービスのデジタル化技術)、極限状況下でのデジタルインフラや公共サービスの維持などの分野で、ウクライナの経験を共有できる」と述べ、今後の協力拡大にも期待を示した。

写真 デジタル変革省のデニケイエワ次官(ジェトロ撮影)

デジタル変革省のデニケイエワ次官(ジェトロ撮影)

(注1)UKディジットは、ウクライナのデジタル変革を通じて、同国のより透明で効率的な行政サービスの構築や、経済復興などを支援するプログラム。

(注2)ミコルスカ氏の講演ではデジタル銀行のモノバンク(Monobank)を開発したフィンテック・ITグループ、防衛テックのUフォース(UForce)の2社が紹介された。

(森詩織)

(英国、ウクライナ)

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