青島で「外資企業の視点から見た中国マーケットの展望」セミナーが開催
(中国)
青島発
2026年06月08日
ジェトロは5月29日、中国の青島日本人会・商工会と共催で、「外資企業の視点から見た中国マーケットの展望」をテーマにしたセミナーを青島市で開催した。ジェトロ上海事務所の佐伯岳彦副所長が講師を務め、約40人の進出日系企業関係者が参加した。
佐伯副所長によると、中国では不動産依存から新産業の牽引への転換が進められている。GDPの約3割を占めていた不動産業の低迷に伴う資産価格の下落などを背景に、国内需要の拡大が阻まれている。一方で、供給能力の拡大や国内市場における激しい競争が、開発速度とコスト競争力の向上につながっており、中国企業の海外展開を後押しする要因ともなっている。
産業面では、新エネルギー車(NEV)、太陽光パネル、リチウムイオン電池などの分野で、大規模な生産能力と高いコスト競争力が指摘される。加えて、人工知能(AI)、ロボティクス、創薬などの分野でも、技術水準の向上や実装のスピードアップがみられ、分野によっては国際的な存在感を高めているとされる。他方で、需要の伸び悩みや競争の激化といった課題も併存している。
こうした特徴を踏まえ、一部の欧米企業は中国のサプライチェーンや技術基盤を活用し、グローバル市場での競争力強化を図っている。
具体例として、テスラは、100%独資(単独資本)による上海ギガファクトリーを設立し、2025年の納車実績は約85万台(グローバル納車の約半分)に達した。同工場は同社にとって世界最大の生産・輸出ハブとして機能しており、生産量の約3割を欧州やアジア太平洋地域へ輸出している。また、部品現地調達率95%以上を達成し、Model3/Yを米国市場より低価格で販売している。
また、ステランティスは、中国新興のEV(電気自動車)メーカーである零跑汽車(リープモーター)に約15億ユーロを出資し、合弁会社を設立した。自社での開発を待つことなく、同社の低コストなEVプラットフォームとソフトウエアを全面的に活用し、自社の販売網を通じて欧州などへ輸出している。2025年度の輸出実績は6万7,000台を超えた。
さらに、ロレアル(L'Oréal)は、中国のスタートアップ企業(自社のBig Bang Chinaプログラム参加企業)が開発したナノチップ技術(極微細な針状構造を用いたマイクロニードリング着想のデバイス技術)をランコム(Lancôme)ブランドの美容デバイスに採用し、中国発の共創技術をグローバルに展開している。
このように、中国の産業基盤や技術を取り込みながら、「In China, for the world」というかたちで事業展開を行う事例が紹介された。
セミナー後には、日本企業の今後の展開方策などについても活発な質疑応答が行われた。
会場の様子(ジェトロ撮影)
(朱秀霞)
(中国)
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