中・東・南東欧への外国直接投資、2025年も減少続く
(中・東欧、西バルカン、オーストリア、ドイツ、中国)
ウィーン発
2026年06月26日
ウィーン比較経済研究所(WIIW)は6月16日、中・東・南東欧への外国からの対内直接投資(フロー)は2025年も減少傾向が続いたと発表
した。2025年の投資総額は前年比21%増の約910億ユーロとなったが、ロシアとルーマニアでの増加が主な要因で、地域全体としては減少傾向にある(添付資料表参照)。
地域別にみると、EU加盟国全体では前年比2%減と微減であるが、国別では大きな差がみられる。スロバキア(79%減)、エストニア(95%減)、ラトビア(83%減)では投資が大きく減少した。一方、ルーマニア(45%増)、ブルガリア(32%増)、スロベニア(19%増)、ポーランド(10%増)は2桁の増加となった。
西バルカンへの投資は前年比23%減となったが、国別では二極化がみられる。北マケドニア(61%減)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(35%減)、セルビア(34%減)が大幅に減少した一方、アルバニア(3%増)、モンテネグロ(8%増)、コソボ(38%増)では増加した。
2026年第1四半期の新規プロジェクト数は、前年同期比で44%減、投資額も35%減と過去6年で最低水準に落ち込んだ。これは新型コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻直後を下回る水準だ。
従来の主要投資国であるドイツとオーストリアの動きも鈍化している。ドイツ企業の2025年第2四半期から2026年第1四半期における新規案件数は144件となり、前期比で約32%減少し、投資額も縮小した。オーストリアも投資額自体は横ばいながら、案件数は低水準にとどまっている。
一方、中国の動きが活発だ。2025年第2四半期から2026年第1四半期における新規投資額は、前期比83%増の165億ユーロに達した。その大部分は、カザフスタンにおけるカーボンニュートラルなアルミ工場の建設や、中・東欧での電気自動車およびバッテリー生産への投資だ。ただし、新規投資額の増大にもかかわらず、同地域における対内投資残高に占める中国からの投資の割合は約1%にとどまる。
WIIWは、外国直接投資の減少は、この地域の構造変化を反映しているとし、人件費の上昇と人口動態に起因する労働市場の逼迫などが要因と指摘している。
(エッカート・デアシュミット)
(中・東欧、西バルカン、オーストリア、ドイツ、中国)
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