「生態環境法典」施行で企業責任の拡大や罰則の強化へ、ジェトロが大連でセミナー
(中国)
大連発
2026年06月16日
ジェトロは6月9日、中国の遼寧省大連市で、「環境法規制の整理と対策~罰金引き上げ・行政執行にどう備えるか~」をテーマに、大連進出日系企業向けに最新動向を伝えるセミナーを開催した。講師は大連九州環境科技の鶴田直副董事長が務め、26社34人が参加した。
講演では、中国の環境法規制が近年、「制度整備中心」から「重点分野に対する厳格な規制強化」へと移行している点が強調され、従来型の汚染管理に加え、炭素排出管理も求められる「二重管理」の段階に入っていると説明があった。さらに、2026年8月15日施行予定の「生態環境法典
」〔調査レポート「中国『生態環境法典』の要点整理と対応策(2026年3月)参照」では、従来の複数の環境関連法(注)が統合され、全1,242条で構成されていると紹介した。また、2026年3月の第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議で示された今後の環境政策の方向性として、汚染防止管理の強化に加え、企業責任の拡大、情報公開義務の強化、罰則の引き上げ(従来の最大7倍)など、企業に対する要求水準が一段と高まる見通しが示されたと指摘した。
さらに、日系企業に求められるコンプライアンス対応として、排出許可証に基づく管理、自動モニタリングおよびデータ管理、危険廃棄物の適正処理など、全工程にわたる内部管理体制の整備が不可欠であること、また、工場・住宅の混在といった地域特性を踏まえた実務対応、住民対応やリスクコミュニケーションの強化、自主的な環境データ管理の重要性が指摘された。
このほか、環境コンプライアンスは専門性が高い分野であることから、外部専門機関の活用も有効とした一方、当該機関が必要な専門資格を有しているかの確認が重要であるとした。加えて、企業の自己点検の観点から、(1)排出許可証、(2)自動モニタリング・データ管理、(3)危険廃棄物管理の3分野を例としたチェックリストが示され、日常的な管理体制の徹底が違反防止の鍵になると強調された。
セミナーの参加者アンケートでは、「日系製造業に共通する関心事項が整理されており参考になった」「今後の工場運営に必要な情報だった」などの評価が寄せられた。また、関心分野としては、排水処理、排ガス処理、排出許可・環境監査対応、省エネ・脱炭素化改造、エネルギーおよび廃熱回収などが挙げられた。
(注)「生態環境法典」とは、従来の環境保護法、大気汚染防止法、水汚染防止法、土壌汚染防止法、固体廃棄物による環境汚染防止法、騒音汚染防止法などの環境関連法を再編・統合したもの。
(呉暁東)
(中国)
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