5月の消費者物価指数上昇率は前月比0.2%、インフレは減速も外部要因に警戒感
(チリ)
サンティアゴ発
2026年06月09日
チリ国家統計局(INE)は6月8日、2026年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前月比0.2%だったと発表した。3月(1.0%)、4月(1.3%)と続いた急伸から一転し、市場予想(0.3~0.5%)を下回る結果となった。前年同月比では3.9%となり、前月に続きチリ中央銀行目標(3%)を上回った(添付資料図参照)。
費目別上昇率では、「住宅・光熱水道」(前月比0.7%)と「交通」(0.6%)が引き続き上昇を主導した。特に「住宅・光熱水道」はガス料金(3.0%)や家賃(0.3%)の上昇が寄与し、全体を0.123ポイント押し上げた。「交通」は航空旅客輸送(8.3%)や自家用車燃料(0.5%)の上昇が影響し、0.083ポイントの押し上げ要因となった。このほかにもCPI構成13費目のうち9費目が上昇に寄与した。
一方、物価抑制要因としては「食料・飲料(酒類を除く)」が挙げられる。同費目は前月比マイナス0.8%と下落し、全体を0.178ポイント押し下げた。パンや穀物類の値下がりに加え、果物価格、とりわけレモン(マイナス17.2%)の急落が影響した。これらの下落が、「住宅・光熱水道」や「交通」の上昇分を一部相殺し、総合指数の伸びを抑制した。
INEは、直近数カ月のインフレ加速の主因となっていた燃料価格上昇の影響が徐々に和らいでいる可能性を示唆している。5月の結果は、外的ショックの直接的な影響が後退しつつあることを示す一方、価格圧力がより広範な分野に波及していないかを見極める上で重要な局面と位置付けられる。
チリ財務省はインフレ減速を前向きに評価しつつも慎重な姿勢を維持している。フアン・パブロ・ロドリゲス財務次官は、「5月の結果は好転の兆しだが、警戒は必要」とした上で、中東情勢をはじめとする国際的要因が燃料価格を通じて物価に影響を及ぼす可能性を指摘した。足元の安定化が持続するかは外部環境に左右される面が大きく、今後の動向が引き続き注視される。
(橋爪優太)
(チリ)
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