2026年サマーダボスが大連で開催、「大規模なイノベーション」を議論
(中国)
大連発
2026年06月30日
中国・遼寧省大連市で世界経済フォーラム(WEF)主催の「第17回ニュー・チャンピオン年次総会(サマーダボス)」が6月23~25日に開催された。中国外交部などの発表によると、90を超える国・地域から約1,800人の政財界、学術界および企業関係者が参加した。中でもスタートアップ企業やユニコーン企業の参加数は前回(第16回、天津市で開催)比40%増となり、イノベーション分野への国際的な関心の高まりが示された(「新華網」6月23日)。
24日の開幕式では李強首相が基調講演を行い、不安定な国際環境の下でも中国経済は安定成長を維持し、技術革新、巨大市場の活力、対外開放の深化が着実に進展していると強調した。また、中国のイノベーションは長期的な研究開発投資、科学技術と産業の融合、充実したイノベーション・エコシステムに支えられていると述べ、中国は世界に対して「市場の利益」だけでなく「イノベーションの利益」も提供しているとの認識を示した。
2026年のサマーダボスのテーマは「大規模なイノベーション」とされた。世界経済の先行き不透明感が高まる中、会議では(1)貿易の構造転換、(2)中国経済の展望、(3)実体経済における技術の発展、(4)次世代の雇用、(5)競争力のあるエネルギー構造転換の5つのテーマを中心に議論が交わされた。分科会では、パナソニック(中国)の趙炳弟・総裁が登壇し、同社最大の海外におけるソフトウエア開発拠点である大連を基盤に、スマート製造とデジタル化を推進し、グローバル事業の付加価値向上を図る考えを示した。
今回のサマーダボスでは、会場運営そのものがグリーン化の実証の場となった。大連市は600台超の新エネルギー車を投入したほか、地元企業の洺源科技(大連)が水素燃料バス16台を提供した。これらの車両は低騒音・低エネルギー消費・汚染ゼロを特徴とし、参加者の移動を担った(「新京報」6月22日)。また、自動運転企業の文遠知行(ウィーライド)のL4(注)レベルの無人運転バス6台を初導入し、ホテルと会場間のシャトル輸送サービスを実施した。
さらに、会場となった大連国際会議センターは使用電力の100%を低炭素電源で賄った。電力は地元の風力、太陽光、原子力発電に由来し、会期中の二酸化炭素排出量を約580トン削減できる見込みという(「東北新聞網」6月22日)。
サマーダボスの大連での開催は今回で9回目となる。デジタル化、グリーンエネルギー転換、産業チェーン強靭(きょうじん)化、新興産業育成など世界の潮流を取り込みながら、大連および遼寧省は産業高度化を進めている。
(注)中国工業情報化部による「汽車駕駛自動化分級(自動車運転自動化分類)」の国家標準で、自動運転レベルの1つ。L0からL5まで6段階あり、L4は高度自動運転と定義されている。
(呉暁東)
(中国)
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