ブラジル中銀、3会合連続の利下げで政策金利を14.25%に

(ブラジル)

サンパウロ発

2026年06月19日

ブラジル中央銀行は6月17日、金融政策委員会(Copom)を開催し、政策金利(Selic)を0.25ポイント引き下げ、14.25%とすることを全会一致で決定した。利下げは3会合連続。また、引き下げ幅は市場の事前予想どおりだった。

Copomは声明の中で、「中東における武力衝突の停止に向けた合意条件をめぐる不透明感が残り、すでに顕在化した影響と相まって、世界の金融状況に影響を与えている。こうした状況は、資産・商品価格の変動が高まる環境にある新興国に慎重さを求める」と指摘した。また、国内経済は「第1四半期に景気循環的なセクターが再び主導するかたちで経済活動が加速し、労働市場も依然として堅調さの兆候を維持している」と評価した。

中銀が公表した週次レポート「フォーカス」(注1)によると、2026年の拡大消費者物価指数(IPCA、注2)上昇率の市場予測は5.30%で、中銀が定めるインフレ目標範囲(1.5~4.5%)を超えている。

ブラジル全国工業連盟(CNI)は6月17日、今回の利下げ幅は投資停滞や企業・家計の財務的逼迫を反転させるには「不十分かつ不能」とする声明を発表した。CNIのリカルド・アルバン会長は「実質金利がこれほど高い限り、投機資本を直接利するだけで、信用コストが産業の生産・拡張計画を阻み続ける」と懸念を示し、米国とイランの戦争終結合意が石油価格の下落につながっているとして、次回会合での利下げ加速を求めた。

6月17日付経済紙「セウ・ジニェイロ」によれば、投資調査会社エンピリクスのマテウス・スピース氏は、Copomによる声明が利下げ停止を明言しなかった点を踏まえ、「今後数カ月で追加利下げが続くと市場は受け止める」との見方を示した。一方、6月17日付現地紙「オ・テンポ」は、モルガン・スタンレーのアナ・マデイラ氏のコメントとして、「米国とイランによる合意は前向きながらも不確実性を高める」と報じ、「中銀は8月に開催予定の次回会合に向け、声明の表現を引き締め方向に調整するのでは」との見通しを示した。

(注1)フォーカスは、中銀が国内100以上の金融機関を対象に行ったアンケートを集計し、予測などをまとめたもの。毎週金曜日に集計を行って平均値を算出し、翌週の月曜日に公表する。

(注2)ブラジルの代表的な物価指数。

(中山貴弘)

(ブラジル)

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