フンイエン省で日本とベトナムの経済連携イベント開催、日本が同省最大の投資国
(ベトナム、日本)
ハノイ発
2026年06月11日
ベトナム外務省や在ベトナム日本大使館などは6月3日、北部フンイエン省で経済関係の強化を目的とした「日本・フンイエン省連携プログラム」を開催した。同省はハノイ市に隣接し、トー・ラム書記長兼国家主席の出身地でもある。ファム・クアン・ゴック・フンイエン省党委員会書記をはじめとする中央政府幹部や伊藤直樹駐ベトナム大使ら、日越両国の官民関係者300人超が参加した。プログラムでは、投資促進と課題解決に向けた両国の対話会も開かれた。
ゴック書記は、住友商事が開発する第2タンロン工業団地を中心に製造業の集積が進んでいることに触れ、日本が同省最大の投資国(注)として、地域経済の成長を牽引していると紹介した。今後は科学技術の振興やスマートシティ、環境配慮型開発を軸に、持続的成長と経済特区整備を推進する方針を示した。なお、フンイエン省は、日本からの投資件数・金額ともに省・市別でベトナム国内6番目の投資先だ。
レ・アイン・トゥアン外務副大臣は、2045年の高所得国入りに向け、行政改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)、人材育成の3分野を重点とした日本との連携強化を訴えた。また、今後の投資誘致に向け、半導体・人工知能(AI)などの先端分野、GX(グリーントランスフォーメーション)推進を重点に掲げた。
投資環境について、伊藤大使は、行政手続きの簡素化が進展すれば、日本企業のさらなる投資拡大につながると指摘。フンイエン省に進出する日系企業からは、行政手続きの迅速化やインフラ整備の遅れの改善を求める声が上がった。また、消防検査の行政指導などについて、運用面における統一性や透明性の向上を求める意見も出された。さらに、北部で深刻化する人材確保難への対策について質問が寄せられた。
これに対してフンイエン省は、企業との継続対話を通じ、課題解決と投資環境改善を進める姿勢を示した。人材難については、職業訓練拡充、他地域からの労働者誘致、社会住宅整備などの対策を提示した。社会住宅は、2026年内に9,500戸以上を完成させ、2026~2030年の間に7万3,000戸以上の開発を目指す計画を示した。
ジェトロ・ハノイ事務所の小篠春彦所長は「フンイエン省は産業インフラ基盤と製造業集積の強みに加え、生活環境の質の向上が進むと、研究開発など高付加価値な投資やそれを担う高度人材の誘致につながる」とし、都市開発やハイテク分野などにおける経済連携の拡大に期待を寄せた。
イベントの様子(ジェトロ撮影)
(注)フンイエン省への外国直接投資は、認可ベースで2026年4月までに1,025件、165億5,000万ドル。このうち日本からの直接投資は209件、60億1,000万ドルで、同省によると最大の投資国という。
(古賀健司)
(ベトナム、日本)
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